輸入米があれば国産米はいらない

新米が出回りましたが、値段は5kg4,500円以上が多いようです。一方で昨年産の銘柄米は4,700~4,900円で売られています。新米より値段が高いのが不思議です。普通の人は新米が昨年米(古米)より値段が安ければ新米を買います。昨年米は新米の後ろに置かれていることが多く、店側も新米を売りたい姿勢が伺えます。なぜ古米が新米より高い現象が起きているかと言うと、店側が高値で仕入れた古米の処分が終わっていないからです。高値で仕入れた関係上この価格でしか売れないのだと思われます。しかし精米すると1か月以内に食べないと味が落ちると言われているので、そろそろ処分売りが出てくるのではないでしょうか。そうなると古米の処分売りが加速し、4,000円割れも遠くないと思われます。しかしこれでも消費者が買うとは思われません。そもそも米が高過ぎてパンやその他の食品への転換が進んでいます。農水省は備蓄米込みの小売価格が下がったとアピールしていますが、販売数量については発表しません。小売価格のデータはスーパーなどのPOSデータから取っていますので、販売数量も分かっているはずです。販売数量が減っていないとすれば、米の価格が倍額になっていることから、米の販売総額は倍になっているはずですが、これでは家計が持ちません。だから販売数量は半減していてもおかしくありません。現に今年7月に総務省が発表した今年5月の家計支出データによると米の支出は昨年5月比8%落ちています。これは購入数量が半減したことを意味しています。

今の米の価格では販売数量が減少し、いずれ米余りが顕在化するのは間違いないのですが、同時に外国産米が店頭で幅を利かして来ています。私が良く米を買うドラッグストアでは現在台湾産米とベトナム産米がもっとも目立つところで売られています。ちょっと前はカルフォルニア産米と台湾産米だったのですが、カルフォルニア産米が売り切れたことからベトナム産米となったようです。私はこの3つの米を全部食べてみましたが、ベトナム産米が一番旨いように思われます。カルフォルニア産米は中粒種で少しパサパサしているし、台湾産米はジャポニカ米ですが少し硬い感じがしました(炊き方の問題かも)。一方ベトナム産米はジャポニカ米でモチモチ感があり、日本米に近い触感です。これなら違和感なく食べられます。私は日本産米が5kg3,000円を割るまではベトナム産米にしたいと思っています。お金がない訳ではありませんが、国産米関係者の非常識な値付けは受け入れられません。ベトナムやタイなどの東南アジアの国々は2期作や3期作が可能であり、日本の商社などが買付を増やしているようです。今年の輸入米はせいぜい50万トンくらい(米国からのミニマムアクセス米を除く)に留まると思われますが、来年は100万トンを超え、米の消費量の減少と相まって相当のシェアを占めるようになります。米農家にとっては、消費の減少が前門の虎、輸入米が後門の狼となります。大規模農家も増えているので、現在日本で大部分を占め、今の米価格でないとやっていけないと主張する小規模米農家を保護する必要は全くありません。