米の販売数量減少が農水省データから分かる

農水省は2025年産の主食用米の需要見通しが2024年産米の見通しから最大38万トン増え697~711万トンになるとの試算をまとめました。これまでは毎年約10万トンずつ減少すると試算していました。増える要因は外国人訪日客による消費の増加などとしています。

これは全く馬鹿げた試算です。2025年産新米の価格は昨年より倍以上高い5kg4,500円以上となっており、米は買えずパンや麺などの食品に移行する人が増えています。更に中食や外食産業では輸入米の使用が増加しています。外国人訪日客が増えていると言っても食べ慣れていない米をそんなに食べるはずがなく量は知れています。私たちが海外旅行に行ってパンやパスタを大量に食べないと同じです。だから今年より需要が増えることはないし、むしろ消費量が減ることと値段が安い輸入米が増えることから、国産米の需要は大きく減ることが予想されます。

農水省が毎週発表しているスーパーでの販売数量・価格の推移データを見ると、9/1~9/7の週の販売数量は約850トンと前週の約1,000トンから約150トン、7/28~8/3の約1,200トンからは約350トン(約3割)減少しています。減少の大部分が備蓄米であり、備蓄米じゃないと買えない層が相当いることが分かります。

ksppos.pdf(ctrlを押しながら左クリック)

今の米の価格と消費者の家計を考えると当然想定される結果となっています。この販売数量減少は今後益々大きくなるはずで、販売数量は500~600トン(備蓄米の販売を差し引いた数量)まで落ちると予想されます。更にこの統計に入らないところ(ドラッグストアなど)では、輸入米の販売が主力になっており、中食や外食では相当浸透していると考えられます。この統計を取っているスーパー(大手)は、米の仕入れを特定の卸に依存しており、高値の国産米を販売せざるを得なくなっています。そのため農水省のデータは米の販売状況を正しく反映していません。農水省は米の増産に舵を切り、審議会などの承認を取り付けるため、米の需要が増えるという虚偽の予想を流布しています。現実は米の需要は既に大幅に減少しており、国産米は一部の富裕層の高給食材となっています。その結果、米消費のボリュームゾーンである一般消費者の米離れが進んでいます。それと同時に阿漕な米関係者(JA、卸、農水省、米農家、自民党)に嫌気がさした米を買える層でも不買運動が進展しています(ヤフコメを読めば明か)。米離れが進んだら値段が下がっても戻りません。米関係者は本当に馬鹿としか言いようがありません。それと農水省の記者クラブに詰めて農水省から定期的に行われるブリーフィングをそのまま報道する新聞記者は、農水省に飼育された家畜のような存在と言えます。政治家・官僚・新聞記者が三位一体で日本をダメにしています。