小野泰輔八代市長に期待すること
8月31日に熊本県八代市の市長選が行われ、無所属新人の小野泰輔氏が自公推薦の現職候補を破って当選しました。保守王国熊本で無所属新人が現職の自公推薦候補を破ったことが話題になりました。小野氏は蒲島前知事の東大教授時代のゼミの教え子で、蒲島知事就任後県の参与、副知事に就任しました。蒲島知事は後任に小野副知事を指名するとの予想が多かった中で、小野氏を副知事から外し、同ゼミで小野氏と同期で総務省に入省し蒲島知事に請われて熊本県の商工政策課長、総務部長を務め総務省に復帰していた木村氏を副知事に就任させました(2020年10月)。これは明らかに蒲島知事が小野氏と木村氏を比較して木村氏が後継知事にふさわしいと判断したことを意味します(総務省との連携を重視した?)。その後小野氏は2020年7月に行われた東京都知事選に挑み落選(4位)、その後2020年10月の衆議院選挙で日本維新の会公認で当選(東京1区で落選、比例東京ブロックで復活当選)し、昨年の衆議院選挙で落選しました。出身地の東京を選挙区にしていたことからそのまま東京で活動すると思っていたら、活動の本拠を熊本に移すと発表しました。確かに東京は出身地で30年以上生活していましたが、選挙となると支持基盤を確立するのは難しいと感じたのではないでしょうか。その点熊本なら副知事を8年間務めたことから、知り合いも多く支持者も固められます。熊本に戻った時点では八代市長選への立候補は考えていなかったと思われますが、副知事時代に八代を含む県南を担当して公務で八代市民と接触する機会も多かったことから、八代では小野氏の知名度は高かったと思われます。従って小野氏の市長当選を予想した人は割と多かったはずです。
私が熊本に戻った小野氏に期待したことは、次の県知事選に立候補し、知事就任直後問題発言を連発し県民に呆れられた木村知事と戦うことでした。小野氏と木村氏どちらが知事にふさわしいか蒲島知事が決めるのではなく、熊本県民に決めてもらうべきです。小野氏の八代市長就任によりこれは当分期待できなくなりましたが、8年後くらいに実現する可能性があります。
それと同時に将来は衆議院選挑戦も考えられますが、その場合天草の票が決め手になりますので、天草市の馬場市長との連携をお奨めします。馬場市長は元企業経営者で、熊本県の首長の中で最も優秀だと思われます。八代や天草を含む衆議院選挙区は現在人吉出身の金子恭之氏が9期連続当選していますが、金子氏は国交省副大臣、総務大臣を務めるなど自民党で幹部の仲間入りをしており、そのためか横暴が目立つようになっています。今回の八代市長選では現職市長支援の中心でしたが、選挙後のテレビインタビューでは「小野氏は自民党議員の支援は受けないと言っていたが、これから国の支援を取り付けるのに誰に世話になるのかよく考えた方がよい」(主旨)と恫喝していましたし、後藤議員は毎年10億円以上の赤字が見込まれる肥薩線の復旧をごり押ししました。後藤議員は八代、天草では人気がなく八代と天草が協力して八代か天草出身の議員に替えた方が良いと思われます。小野市長にはそのための布石も必要です。