高市首相誕生の鍵は自民党女性議員

自民党総裁選が行われています。自民党最後の首相を決める選挙になると思われます。小泉進次郎候補(小泉氏)が優勢でしたが、陣営のステマ事件で雲行きが怪しくなってきました。たぶん党員党友票が大きく減ると思われます。また討論会での小泉氏の話の内容が空疎なことから、小泉氏に投票する予定だった議員の中にも変心する人が増えると予想されます。その結果1回目の投票での1位も怪しくなります。場合によっては林氏に逆転され、決選投票に進出できない可能性もあります。高市早苗候補(高市氏)は、1位か2位で決選投票に進出すると思われます。

昨年9月の総裁選を見ると、1回目の投票で高市氏は党員党友票109票、国会議員票72票の合計181票でしたが、今回は党員党友票(全295票)が前回を上回る120票(4割)、国会議員票(295票)が少し減って50票の合計170票で、小泉氏は党員党友票が前回(61票)並みの60票、国会議員票100票(昨年75票)の合計160票と予想します。場合によっては、林氏が党員党友票80票、議員票80票で小泉氏を逆転するかも知れません。(昨年の衆議院選および今年の参議院選敗北により国会議員が減少し、その分党員党友票も減少している(368票→295票))。

これで高市氏と小泉氏の決選投票になった場合、マスコミ情報からは小泉氏が圧倒的に優勢です。小泉・林陣営は決選投票に残った方を支援する合意が出来ているようですし、麻生氏や茂木陣営、小林陣営も小泉氏を支持すると報道されています。そうなると高市氏を支持するには旧安倍派を中心にせいぜい100人くらいしかいませんが、麻生氏や茂木陣営、小林陣営は小泉氏の能力不足を不安視し、高市氏を支持する可能性があります。林氏が決選投票に進出したら、林氏で決まりです。自民党国会議員の評価では圧倒的に林氏であり、高市氏に勝ち目はありません。

こんな中もし高市氏が勝つとすれば、自民党女性議員が大挙して高市氏支持に回った場合です。昨年の総裁選では自民党女性議員は43名いましたが、高市氏に投票したのは10人もいなかったと思われます(4,5人?)。推薦人に名を連ねたのが有馬治子参議院議員(現自民党両院議員総会会長。石破首相を退任に追い込んだ人)と杉田水脈参議院議員の2人だけだったことからも女性議員に不人気なことが分かります。高市氏はキャリアウーマンの走り世代であり、国会議員になってから男性議員や官僚と張り合い、女性議員との交流は少なかった(避けてきた)ように思われます。だから女性議員からは「女性の姿をしているが中身は男性」と見なされ、好かれていない(むしろ嫌われている)と思われます。国会議員女子会に呼ばれないタイプです(国会議員男子も呼びたいタイプではない)。昨年の総裁選で本人もこのことに気付き努力をしていることが伺えます。結果今回の推薦人には5名の女性が名前を連ねています(有馬治子、小野田紀美、片山さつき、松島みどり、生稲晃子)が、この5名は昨年も高市氏に投票した議員であり、広がりは感じられません。女性の好き嫌いは変えられないことが伺えます。

しかし高市氏が女性首相の最短距離にいることは間違いなく、この機会を逃すと当面女性首相の誕生は望めないことを考えると、ここは小異(大異?)を捨て大同に付くべきと考える女性議員も相当でると考えられます。女性議員が30名高市氏に投票したら高市首相誕生もあります。そうでなければ高市首相誕生はありません。女性議員にとっては男性有力議員の寵愛を得て大臣になるこれまでのやり方を続けるのか、女性でも首相になれる世の中にするのか決断のときと言えます。