回答AIの正体は著作権泥棒

AIが業務に浸透してきているようですが、仕事を離れたのでAIがどういうものかさっぱり分かりません。そんな中でAIを感じるのは、ネットで検索したとき最初にAIの回答が表示されるときです。簡潔に易しい言葉で書かれていて、他の専門的な解説より理解しやすくなっています。そこで専門的な解説を読んでみて理解できなかったらAIの解説を見るような使い方を見つけました。これは逆もありで、AIの解説では物足りない場合には専門的解説を見に行きます。だから解説が全てAIに置き換わることはないと思われます。

こんな中AIの正体が分かる現象に出会いました。あるときネットで宅建の用語を検索したら、ある宅建資格学校の資料から丸ごと引用されている解説がありました。たぶんネットの世界で要求に応えられる解説がこれ1つしかなかったものと思われます。

この8月に生成AIを使って質問に回答するサービスに記事を無断で利用されて著作権を侵害されたとして、読売新聞、朝日新聞社と日本経済新聞が米国のAIサービス会社パープレキシティに対し、記事の複製の差し止めや削除、損害賠償などを求める訴訟を提起しましたが、分かるような気がします。新聞社の記事を書いた記者ならAIの回答内容を見れば自分が書いた記事を使用していると分かるはずです。これが明かになると、新聞社では全てのAIの回答を自社の著作権を侵害していないかAIにチェックさせることになります。また使った、使っていないという紛争に備えて自社の記事には特徴的なパターンを仕込むということも行われてきます。昔日立がIBMのプログラムを盗んだとして裁判になったとき、IBMが仕込んだ無意味なコードがそのまま日立のプログラムに使われていたことが盗んだ決め手となりました。

AIの回答サービスの場合、必ずネット上の他社や他者が作成した記事を利用していますので、著作権侵害は確実です。こうなるとAIを利用したサービスを提供する企業、導入する企業は、著作権侵害訴訟のリスクに晒されることになります。回答サービスに使われるAIの正体は著作権泥棒です。