維新の国会議員定数削減は実現不可能

10月20日維新と自民党が連立を組むことが決まりました。これで高市首相が誕生しますので良いニュースです。今回の維新と自民党の連立交渉で維新共同代表の吉村大阪府知事が連立の条件として国会議員定数の1割(約50議席)削減を臨時国会で実現することを求めました。維新には12項目の政策課題がありますが、その中には含まれず唐突感がありました。同時に一番実現が難しいと思われました。しかし自民党とは受け入れたと言うことです。

国会議員の1割削減は今の自民党と維新の議席数では絶対に不可能です。衆議院では自民党196、維新35、合計231議席であり、過半数233議席に2議席足りません。では無所属またはその他の政党から賛成者が出るかと言うと考えられません。削減するのは比例区選出の議員と言われていますから、自民党の比例機選出の議員(59人)は議席を失うことから反対に回ると思われます。これだけの数が造反すると少数与党の自民党としては除名処分はできません。衆議院だけでもこの法案は可決されることは困難です。このことは高市総裁も分かっていると思われますから、実現不能と分かっていて要求を受け入れたことになります。そもそも吉村代表も分かっていて要求したように思われます。吉村代表の位置は次の臨時国会に法案を出して少しでも動かそうという意図かもしれません。高市総裁の意図はともかく20日に首相指名を勝ち取りたいということです。首相にさえなれば、いざとなれば解散総選挙に持ち込めます。そうなれば高市人気から議席増加かわずかな減少に留まり、自民党衰退に歯止めがかけられます。

このように国会議員数減少は実現は不可能ですが、国民の支持は高く維新の、また吉村代表のアピールになったことは間違いありません。吉村代表は全国放送のテレビにはあまり出ることがなく、全国の人には余り馴染みがありませんでしたが、今回全国放送のテレビに出まくったことから、一挙に名前と顔が知られることとなりました。私も初めてまともに吉村代表の話を聞きましたが、理路整然とした落ち着いた話しぶりであり好感が持てました。イケメンであり全国に女性ファンが増えたと思われます。実現不可能と分かっていながら真っすぐに進む姿勢は少年的であり、政治家臭さがありません。19日夜吉村代表が出演したフジテレビミスターサンデーを見ていたら、コメンテーターの金子恵美元衆議院議員や岩田明子元NHK記者が吉村少年を見つめる目は少女のそれのようになっており、いつものガサツさがありませんでした。

吉村代表の全国区人気で空中分解が言われている維新がまとまり復活する可能性が出てきたように思われます。少なくとも大阪はがっちり押さえられます。