「支持率下げてやる!」の新聞社は「廃刊に追い込んでやる!」

高市首相の人事で私が一番驚いたのは自民党の広報本部長に鈴木貴子衆議院議員を据えたことです。その他の党幹部は実績があり驚きはありません。しかし鈴木議員は39歳と若く、かつ要職といえば防衛・外務副大臣くらいです。広報本部長は党の要職であり河野太郎氏など大臣経験者が就任していますから、大抜擢と言えます。

私は鈴木氏には余りよい印象を持っていませんでした。それは鈴木宗男衆議院議員の娘であることが最大の理由ですが、見た目も賢い感じがしないからです。北海道十勝地方出身の道産子娘のイメージです。彼女が防衛副大臣や外務副大臣をやっているのを見て、防衛省や外務省の職員は悲惨だなと思っていました。それくらい嫌いでした。

それが広報本部長としての仕事ぶりを見て一変しました。その仕事ぶりというのは、自民党幹部の記者会見、記者とのやり取りを文字お越し化したことです。新聞は切り取り報道で有名ですが、記者とのやり取りを文字お越しすれば切り取り報道できなくなってしまいます。私はこれをずっと考えていました。これを鈴木氏が広報本部長に就任後直ぐ実施したことは、以前から考えていたと言うことであり、要職に就く準備を早くからしていたということです。石破首相と高市首相を比べれば分かりますが、要職に就くには早くから準備をしておくことが大切です。どんな準備かというと、自分がその地位についた気分になって考え判断することです。平議員や政務官、副大臣であっても大臣の立場に立って考え判断する訓練を重ねることです。石破首相はこのような訓練を全くしてきていません。党内野党として執行部を批判し、評論家のような態度に終始してきました。だから首相になってもやりたいことがなく、具体的に施策も出てきませんでした。一方高市首相は若いときから「自分ならこうする」と考え、アイデアを温めてきました。そのため今政策が溢れ出ています。若いときからトップになったときのことを考える若者は組織においてあまり好かれません。先輩や上司から言われたことを素直にやる若者が好かれます。その若者の戦略とすれば、ポジションに応じて考えればよいということですが、若いときから高いポジションに自分を置いて考える訓練をしていないといざ高いポジションに着いたときその能力が養成されていないことが多いのです。

鈴木氏が広報本部長に付いて直ぐ記者会見の文字お越しを実行したことは、若いときから自分ならこうすると考えてきたことを意味し、準備万端と言えます。

鈴木氏を見ているとSNSの批判に対する返しも上手いし、社会的に鍛えられているなという感じがします。選挙で当選するには多くの有権者の支持を得る必要があり、度量の広さと胆力、機敏な対応力が求められます。鈴木氏は早くから有権者に揉まれこれらの能力を鍛えてきたように思われます。将来は田中真紀子氏のようになるのではないでしょうか。逸材と言えます。尚、記者会見の文字お越しには文書が長く分かりにくいとの批判があるようですが、これは要約文を付け、正確なやり取りを知りたい人向けには、文字お越し文にリンクで飛べるようにすれば解決できます。

記者会見の文字お越し化は全部の官庁で実施すべきだし、更には記者会見のネット中継化が望まれます。

これらが実施されれば、新聞の切り取りによる世論操作ができなくなります。10月7日高市総裁の取材待ちだった時事通信のカメラマンが時間が遅れることを告げられ「支持率下げてやる!」「支持率下げる写真しか出さないぞ!」という声を上げたことがネットで拾われ、新聞社が世論操作していることが明かになりましたが、取材のやり取りを文字お越しすれば新聞社の世論操作が不可能となります。「支持率下げてやる!」ような新聞社は「廃刊に追い込んでやる!」です。