藤田橋下の大阪は副首都にふさわしくない

維新藤田共同代表の態度の悪さが有名になっています。赤旗が藤田代表が政党交付金から自分の公設秘書の会社に印刷物を発注していると報じたことから、公金を身内に落としている疑いが生じました。これに対して藤田代表は適正な商取引であり法的には何ら問題ないと反論しています。これに対し維新創業者である橋下徹氏がこれは「維新・国会議員団の公金に対しての“ぬるぬるの感覚”の象徴」と激しく攻撃した結果、藤田代表は記者会見を開きました。その記者会見で藤田代表が切れて「どこが悪い」「悪いことはないもしていない」「あんたらが商売を知らないだけ」などと記者を攻撃したことから、藤田代表の態度の悪さ、国会議員としての資質が問題になっています。

確かに妥当な内容の取引なら法的には問題ないようですが、確実に不正を疑われる取引であり、まともな人ならしません。藤田代表も「法的には問題ないが、疑われる余地があるので今後はしない」と述べています。それよりも藤田代表のパーソナリティが公党の代表に相応しいのかが問題になっています。これは維新が決めることと言ってしまえばお仕舞ですが、もっと大きな問題に発展すると思われます。

それは維新が推進する大阪副首都構想です。これは維新が掲げる大阪都構想が2度の住民投票で否決されたことから、形を変えて出てきたものです。国が大阪を副首都に定めれば大阪都制度が必要となることから、住民投票で賛同を得られると考えてのことです。東京都をみれば区は行政サービスの窓口業務が中心となり、都市設計機能を失くすことから、大阪市民にはデメリットしかありません。だから普通に考えれば大阪都構想が大阪市民に承認されることはないと思われます。日本が今後進む方向は道州制であり、その場合市(人口10万人以上)が自治体の単位となることからも大阪都構想は邪道と言えます。これを推進するのは橋下氏を中心とした東京憧れ派または東京コンプレック派の一部の人たちです。

藤田代表の態度を見て大阪を副首都にするのに反対の人が増えたと思われます。それは藤田代表が典型的な大阪人であり、あの振る舞いは大阪人にとっては普通だからです。また近親者にお金を落とすのは大阪においては当たり前のことです。これをしなかったら非常識とされ、仲間外れになります。大阪では公務員でも民間から接待を受ける、物品を貰うのは当たり前、儀礼の範囲、社会の潤滑油となっています。東京から大阪に転勤すると最初この習慣に戸惑いますが、中にはこの習慣に馴染んでしまい、事件に巻き込まれる会社員が出てきます。大阪では豊臣秀吉が大阪城を築き(1585年)大坂が商都となって以来ずっとこの習慣が続いており、今後も変わることはありません。東京の場合、人の流入によって言葉も変わってしまいました(江戸弁から共通語)が、大阪は流入してきた人に大阪弁(関西弁)を強いて変わることを頑なに拒否しています。従って大阪はずっと大阪であり、副首都という公的色彩を持つ町には不適切です。

副首都が必要なら、地理的にも日本の真ん中であり、背後地も広く、人間的にも癖がなく馴染みやすい名古屋がふさわしいと思われます。副首都の決定は候補都市を2つに絞り国民投票に掛けるのが良いと考えられます。大阪と他都市の決選になれば大阪は選ばれません。