高市首相は「夢見る少女じゃいられない」

高市首相が11月7日の衆院予算委員会で立憲民主党岡田克也議員に台湾有事の具体的ケースを問われ、

「やはり、戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば『存立危機事態』になりうるケースであると、私は考えます」

と答えたことが中国の反発を買っています。中国はことあるごとに台湾問題は中国の核心的利益であり、これに対する干渉は許さないと宣言していましたから、当然と言えます。発言の翌日には中国の薛剣駐大阪総領事がXに「その汚い首は一瞬のちゅうちょもなく斬ってやる」などと投稿しました。外交官としてはあり得ない表現であり、中国側の怒りが良く現れています。10月31日に韓国で高市首相と習近平中国主席が会談しましたが、こんなに早く実現するとは予想されておらず、呉江浩駐日大使などの駐日外交官や王毅中国外相らが習近平主席へ会談を進言して実現したものと思われます。高市首相の発言は、習近平主席に恥をかかせたばかりか進言した人たちの顔に泥を塗ったことになります。進言した人たちはこれを挽回するため強硬姿勢を続けるしかなく、中国側には日本を擁護する勢力がいなくなってしまいました。そうなるともともと中国国内には反日勢力が多いことから反日一色となります。

11月15日には中国政府が中国国民に日本への渡航自粛を勧告したと報道されていますが、これは序の口です。次は短期ビザ免除の廃止やホタテの輸入禁止、輸入製品の検査厳格化、日本製品の不買運動などが行われます。こうなると中国駐在員や家族の安全が危惧されます。そして本格的な対抗手段として尖閣諸島領域への中国海警進入の常態化、中国海軍の出現があります。中国軍では腐敗粛清が続いていると言われており、手柄を立てたい軍人が溢れています。中国社会の反日の空気を察して中国軍艦が日本の海上保安庁の警備艇や海上自衛隊艦船に砲撃を仕掛けることは十分あり得ます。というより必ずあると言う状況です。

そのとき高市首相はどう対処するのでしょうか?目には目をと反撃を指示するのでしょうか?中国の年間軍事費は約34兆円で日本は約9兆円であり、装備に雲泥の差があります。たぶん中国軍の装備は米軍と大差ないレベルです。中国はそれを誇示したくて仕方ない状況です。それには日本が丁度良い相手です(フィリピンでは弱すぎる)。

中国軍の砲撃で日本の艦船が破損する、または乗組員に死傷者がでるかどうか分かりませんが、中国はそのくらいの覚悟でかかってくると思われます。この場合米軍は仲裁に回り、中国と交戦することはありません。これは中国領事の発言に対するトランプ大統領の態度(コメントせず)を見れば明らかです。

高市首相はこのような状況を想定しているのでしょうか?高市首相は国会での発言は「最悪の状態を想定したもの」と述べていますが、自らの発言が招く「最悪の状態」は想定していなかったのでしょうか?

新聞テレビの調査によると高市首相の支持率は70~80%となっており、大人気と言えます。その一つの要因に国会答弁において高市首相が見せる笑顔や笑いを取る話法があると思われます。多くの方が気付いていると思われますが、高市首相は64歳のおばあさんなのにところどこに少女のような雰囲気があります。高市首相の経歴を見ると、大学時代に軽音楽部でドラムを叩いていた、トヨタスープラを乗り回していた、松下政経塾の女性第一号になった(松下幸之助氏が面接して「じゃじゃ馬でで面白い」と評価)、米国議会議員の事務所スタッフとして勤務、テレビキャスター、政治家、ついには首相と夢を追いかけています。この軌跡は「夢見る少女」そのものです。米国議会の議員へ送った採用願書には「将来日本の首相になりたい」と書いていたようですから、夢を実現したことになります。そして台湾有事発言は「夢見る少女」の一面が出たものと見ることができます。これから「夢見る少女」が中国から厳しい現実を知らされることになります。首相になったら「夢見る少女じゃいられない」です。

*意味わからない人はこちらを参考に相川七瀬 / 夢見る少女じゃいられない