サービス業にはゴミ箱の設置を法律で義務付ける
2025年11月7日にNEXCO中日本名古屋支社はXで、管内の一部パーキングエリア(PA)からゴミ箱を撤去すると発表しました。その理由として家庭ごみや不審物の投棄が多発している現状を挙げ、安全確保や環境維持、防犯の観点から苦渋の決断に至ったと説明しています。
これに対してSNSで抗議の声が上がっているようです。抗議の理由としては、高速道路料金は高速道に乗ってから降りるまでの料金であり、ごみ捨ての料金を含まれるだろうといものです。車を利用する人なら車の中で発生したゴミはどこかで捨てないとドライブが楽しくなくなります。PAで捨てられないのなら、窓から捨てる人も出てきます。
PAには通常物販飲食コーナーもあり、ごみ箱はそれらと一体となった施設だという主張も見られます。確かにレストランや飲食店、デパートなどでゴミを持ち帰れと言うところはありません。
ゴミ箱を撤去したらPAの周囲やトイレなどにゴミを捨てるようになるという脅しみたいな意見もあるようです。これは確実に起こり得ます。
日本の駅や街中でゴミ箱が撤去されたのは、2001年のアメリカ同時多発テロ以降で、地下鉄の駅から始まったように思われます。地下は半密閉空間であり爆発があったら怖いことから仕方ない措置のように思われました。しかしその後地上でもゴミ箱の撤去が進み、ゴミを捨てられない状況が生まれました。これは爆弾対策に事寄せたゴミ箱設置者の楽したい病からでたものでした。この結果日本人は街ブラに出てもゴミを抱え、ゴミと一緒に移動し、ゴミを家へ持ち帰ると言う世界でも珍しいことをする人種となってしまいました。確かに日本の街のようにゴミが落ちていない環境は気持ち良いですが、息苦しく感じるのも事実です。オランダのアムステルダムで土曜日の早朝に街に出たら繁華街の路上はゴミで一杯でしたが、バキュームカーのような清掃車が出動して9時くらいには綺麗になっていました。ゴミは土曜日の夜市民が騒いで出したものと思われますが、それも市民の楽しみの1つであり、さっと掃除できることからあってよいと思われます。こんなことが許されるからアムステルダムの人たちは伸び伸びとしていました。東京の人たちが小さな間違いをしないように緊張して行動しているのと大違いです。
サッカーの国際大会があると日本人のサポーターが応援席を掃除したとして話題になりますが、世界的には真似すると国はありません。みんなが日本人のサポーターと同じく掃除をしたら、掃除のために雇われていた人が不要となってしまいます。そういう人たちの生活手段を奪ってしまうのです。
日本でゴミ箱を撤去するのは公共サービス機関です(地下鉄、鉄道、高速道路PAなど)。これは独占機関でありサービス競争がない、会社および社員の収入に響かないからです。サービス競争に晒されている会社はここまで極端なことはできません。
サービス提供企業においては法律で一定のゴミ箱を設置することを義務付ける必要があるかも知れません。これで日本の街の綺麗さが維持されているとしたら、病的だと言えます。