歯周病を治すには免疫を強化すること

政府は今年6月の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に、全国民が生涯を通じて歯科健診を受ける「国民皆歯科健診」に向けた具体的な取り組みの推進を盛り込み、厚労省は2026年度予算の概算要求に、職場での唾液検査などを進めるため1億8,000万円を計上しました。

歯周病は細菌が原因となる感染症で、歯茎が炎症で腫れて出血し、進行すると歯を支えている骨が溶けます。歯を失うだけでなく、糖尿病の悪化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めるという説もあります。歯周病にかかる人は20歳代から増え始め、25~34歳が25・8%、35~44歳が28・0%、45~54歳が43・0%となっています(厚生省データ)が、歯科医の受診や治療を受ける人は少ないようです。

このため厚労省は、通常の職場での健診に加えて歯周病の可能性を調べる唾液検査を実施する企業を対象に、検査担当者の人件費や結果の分析費用の一部を補助するとのことです。これにより歯周病の可能性が高いと判定された従業員には、企業から歯科医への受診を促してもらうということです。

医療費削減が叫ばれている中で、死に至る病でもない歯周病の受診に厚生省がこれだけ力を入れるのは国民のことを思ってのことではありません。増えすぎて経営が苦しくなっている歯科医院を救うためです。厚生労働省の2024年の統計によると、全国の歯科医院の数は66,843軒(2024年度)であり、全国のコンビニの店舗数55,657軒を1万軒以上上回っています。歯科医の数は105,267人(2022年)で、歯科医の収入は開業医約1,400万円、勤務医約700万円となっています。歯科医院の過剰と虫歯の減少、子供の減少から患者数が減少し、歯科医院の経営は苦しくなっています。こんな中でも歯科大学および大学歯学部の定員は減少しておらず、人気低迷から偏差値BF(ボーダーフリー=算定できず)となっているところもあります。こんな中受診者数を増やしたい日本歯科医師会(会員数約65,000人)は、今年7月の参議院選挙に国民皆歯科健診を公約に掲げることを条件に自民党の山田宏氏を組織的に支援し当選させました。山田議員は松下政経塾出身で高市首相と親しく総裁選でも高市氏を支持したことから、そのお返しとして高市首相が山田議員の公約に予算を付けた構図です。

私は10代から酷い歯周病で、歯を磨くと出血で口が真っ赤になっていました。その結果30代になって歯が4本抜けたため、歯周病の名医を探し自由診療で300万円かけて治療しました。その名医が言うには「歯周病は体質が関係しており、体が強い人はならないし、弱い人はなる。弱い人は化学物質入りの食物を食べないなど食事に気をつけるしかない」ということでした。この治療により歯周病の進行は止まりましたが、暫くすると歯茎ら出血するなど完治はしませんでした。

それが30年以上経ったある日ピタッと治ったのです。それはオルニチン(アミノ酸)という機能性食品を飲んで寝た翌日の朝でした。オルニチンは肝臓のオルニチン回路でアンモニア(毒性がある)を尿素(毒性がない)に変えるために必要な物質です。普通の人では別のアミノ酸が分解してできるのですが、私にはこの分解酵素が少なく十分なオルニチンを体内で作れなかったようです。オルニチンを飲んで以降布団やパジャマからアンモニア臭が消えました。同時に不眠症が治り、疲労感がなくなったのです。どうも血液中のアンモニア濃度が高くなり、組織や細胞が毒液に浸された状態になっていたようです。その結果組織や細胞の働きが落ちる(疲労感)と同時に血液中の免疫細胞が弱り、歯周病菌が歯茎で繁殖する原因になっていたようです。このあと歯医者で歯周病菌の検査をしたら見つかりません。

これから歯周病の原因は免疫が弱っていることであり、歯周病を治すには免疫を強化することが有効と考えられます。歯周病は感染症(病原菌が引き起こす病気)とされていますから、通常抗菌剤を投与して治すことになりますが、この方法が取られないのは継続投与が必要だからです。継続投与すれば体内の有用菌も死滅しますし、耐性菌が残ります。このような場合免疫を強化して対処するしかありません。免疫を強化する方法としては腸活があります。腸には多数の微生物が生息しており、有用物資を作り出し腸壁から吸収されています。その物質の中に免疫を強化する物質があるようです。明治のR-1ヨーグルト(乳酸菌)やキリンのプラズマ乳酸菌などは免疫強化に効果があることが科学的に立証されています(学会で認められている)。私はプラズマ乳酸菌の錠剤も飲んでいますが、確かに効果があります。歯周病で悩まされている方は一度試してみて下さい。