フジテレビは上場廃止するのがよい
フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビ)と村上世彰氏との攻防が激しくなっています。フジテレビに事業再編(不動産事業分離)を要求しているのは表面上村上世彰氏の長女野村絢氏ですが、実質的責任者は村上世彰氏と考えられます。野村氏のフジテレビ持ち株は数百億円に達しており、これを野村氏の判断で行うのは困難です。野村氏は子会社サンケイビルの売却を要求しているようですが、サンケイビルはフジテレビグループの中核企業で安定収益基盤(2024年経常利益206億円)であり、放送事業の将来が明るくないことから売却は困難と言えます。
フジテレビと野村氏の遣り取りの中で野村氏はサンケイビルを野村氏が買収しても良いとの意向を示したと報じられています。これが事実なら野村氏の狙いはフジテレビの株主価値向上ではなく、フジテレビの核心的価値の強奪ということになります。ただしこれはフジテレビ側の発表に基づく推測であり、フジテレビ側がそういう印象に持っていこうとしているのか知れません。野村氏のフジテレビに対する持ち株割合は2025年9月30日現在8.64%(時価総額約800億円)となっており、野村氏としても人生を賭けた大勝負となっています。フジテレビのオーナーになることが最終目的かも知れません。
今後のフジテレビの出方としては上場廃止が考えられます。フジテレビとしては野村氏の要求に答え不動産事業(サンケイビル)を売却すれば、フジテレビの存続が危なくなります。TBSは赤坂の不動産が収益基盤ですし、朝日新聞も不動産事業があるから安泰です。従ってフジテレビグループの経営からすれば、収益基盤であるサンケイビルを残し、放送事業(フジテレビ)を売却するのが良いことになります。
そこで考えられることは、子会社サンケイビルが親会社フジテレビを飲み込む形で合併(逆さ合併)し、上場廃止にすることです。MBOによる上場廃止も考えられますが、この場合MBOをする会社の株主構成が難しく実現性が低いように考えられます。サンケイビルは数千億円の不動産を持っており、上場廃止に伴う株式の買い取り資金も自前で手当てできますし、支配株主として座りがよいと考えられます。
放送事業は今後先細りが予想され、上場していると今回のようにアクティビストの標的になります。新聞社が上場していないようにマスメディアは投資家の影響を受けないのが望ましく、上場しているのが不思議なくらいです。フジテレビの上場廃止は放送事業の本来的な形に戻ることになります。