解散総選挙の目的は落選中の旧安倍派議員を国会に戻すこと

高市首相が1月23日に衆議院を解散し、2月に総選挙を実施する方針を表明しました。高市首相の支持率が60~80%あり、今後は下がると考えるのが素直なので当然の判断と言えます。それでも自民党の支持率は微増であり、国民は高市首相個人を支持し、自民党を支持しているのではないと言われています。それを示すのが1月12日に行われた前橋市長選かも知れません。この選挙は秘書課長とラブホに10回行った小川市長が辞職した結果行われたものですが、小川前市長が再立候補したことから、これまでなら自民党が擁立した対立候補が当選するのが当然でした。しかし小川前市長が自民党候補に1万票以上の差をつけて当選しました。これは前橋市民が自民党市政に戻ることを拒否したためと言われています。兵庫県知事選もそうですが、有権者は自らの意志で投票するようになっています。これまでは自民党が決めた候補を新聞テレビが何回も取り上げ、有権者がその候補に投票するよう誘導していましたが、今では新聞テレビが信用されておらず、新聞テレビが押す候補は負けるようになっています。新聞テレビの記者は県庁や市役所の記者クラブに詰め、知事や市長、役所関係者から情報を得ていますから、情報提供者と利益共同体であり、記事には利益誘導の臭いがプンプンします。一般の有権者はこの臭いが大嫌いです。だから前橋市長選でも自民党候補を新聞テレビが取り上げず、山本一太群馬県知事が自民党候補を応援せず、自民党候補が辻立などで前橋市民に訴えたならば、勝った可能性があると思われます。自民党候補の父親は群馬県弁護士会および公安関係の重鎮であり、自民党と共に群馬県を牛耳っている人であり、これがあって息子が今回市長候補に担がれたことは明らかです。これを見れば「ザ自民党」そのものです。自民党議員はこれがまだ通用すると考えている人が大部分です。

昨年6月の参議院選挙大敗後は、「このままでは自民党はなくなる」と言っていた議員が今では元通りになっています。高市首相は米高騰について一切発言せず、鈴木農相のJA/米農家保護発言を黙認しています。米高騰に苦しむ消費者には、こんな高市首相、鈴木農相および自民党に対する反発が大きく、今回の解散総選挙で自民党が大勝する訳がありません。良くても現状維持だと考えられます。もちろん石破首相と高市首相の人気の差を考えれば、議席増の可能性はあります。

今回の解散総選挙で1つだけ確実なことは、自民党内で高市支持議員が増加し、多数派を形成することです。高市首相は一昨年11月の総選挙で、裏金疑惑で公認されず窮地に立っていた多数の旧安倍派議員の応援に入りましたが、多くが落選しました。このことについて高市氏は「私が首相になって国会に戻す」という強い思いを抱いていたと考えられます。落選者の多くは地元に多くの党員党友を抱えており、昨年の総裁選で高市氏が地方党員党友票で圧勝するのに貢献しています。これらの落選者は高市首相にとって戦友であり同志なのです。高市首相の今回の解散の目的はこれらの戦友や同志を国会に戻すことです。彼らが戻れば高市支持者で自民党の多数(100人超)を占められます。そうなれば麻生派や茂木グループに気兼ねなく政策を進められます(麻生氏の反対で実施できない食品消費税の廃止もできる)し、来年の自民党総裁選も勝ちが見えてきます。こういうことを考えると解散総選挙はこのタイミングしかないことが分かります。

(高市首相は今回の解散総選挙に備え党の選挙実務を荻生田幹事長代理、古屋選挙対策委員長、新藤国民運動本部長という高市側近で固めています。この3人は早い段階で聞かされていて、このうちの誰かが意図的に読売新聞にリークし書かせたと推測されます。)