内需中心経済が国際競争力衰退を招いた
日本が衰退した原因が韓国から見えてきます。韓国はアジア屈指の工業国ですが、それは人口が約5000万人と少なく国内だけの経済活動では豊かになれないことから、輸出で稼ぐしかないと考え、輸出する製品の研究開発に力を入れてきたからです。今では半導体メモリーで世界1位はサムスン電子、同2位はSKハイニックスですし、テレビの売上高でも世界1位はサムスン電子、同2位はLGです。自動車でもヒュンダイが世界3位となりトヨタに追いつく勢いです。その他鉄鋼や造船などでも世界的企業があります。いずれも最初は日本の企業から学びましたが、今では学んだ企業を追い越し、届かないところまで入っています。これは常に世界市場を視野に研究開発を行っていることが原因です。この結果韓国のGDPに占める輸出の割合は約44%とドイツの約47%に次ぐ世界2位となっています。これに対して日本は約18%しかなく、輸出したくとも世界が買ってくれる商品がない状態です。この結果は韓国の輸出総額は昨年約110兆円に達し、総額でも日本に追いつきました。人口が日本の半分であることを考えると驚きの数字です。
輸出ではものばかりでなく韓流ドラマやエンタメでも頑張っています。K-POPは欧米を席巻していますし、米アカデミー賞の前哨戦とされる第83回ゴールデン・グローブ賞」アニメ映画賞は『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』が鬼滅の刃を押しのけて受賞しています。 日本の最後の牙城のアニメも韓国に抜かれてしまったようです。
これらの結果昨年米ドルベースでみた韓国の1人当たりGDPは3万6,239ドルで、前年より565ドル(1.6%)増加し、順位はOECD加盟国内で21位でした。これに対して日本のGDPは1人当たり3万3,785ドルで、前年より1,444ドル(4.3%)減少しOECD加盟国内での順位は22位から24位に後退しました。韓国と日本の1人当たりGDPの差は前年の445ドルから昨年は2,454ドルに拡大し、順位差も1ランクから3ランクに広がっています。
これに反してスポーツだけは弱くなっています。野球、サッカー、バレーボール、バスケットボールなどで往年の強さがなくなってしまいました。米国LPGAを席捲していた女子プロゴルフでもすっかり勢いがなくなっています。昨年を見ると選手数では韓国30人以上、日本15人と韓国が倍以上ですが、優勝者数は日本6人(7勝)、韓国7人(7勝)と互角になっています。これは最近日本女子ゴルファーが次々とLPGAに参入するのに韓国人女子ゴルファーは参入しなくなったからです。なぜだろと調べてみたら韓国内での女子ゴルフの試合数が増加し、賞金も増えているからのようです。KLPGAは昨年31試合を開催し、賞金総額は約34億円となっています。一方JLPGAが昨年37試合で賞金総額約44億円ですから、JLPGAとの差が縮まっています。韓国の人口は日本の半分以下であることを考えると、国内で十分な試合数と賞金があることになります。要するにわざわざLPGAまで出稼ぎに行かなくても良くなっているのです。
プロ野球でも米国メジャーリーグの選手がNPBではなくKPBを選択する例が増えています。それは年俸が余り変わらなくなったことが一番大きいようです。KPBの韓国人選手の待遇も上がっており、かってのようなハングリー精神が無くなった結果、韓国プロ野球が弱くなったようです。これは他のプロスポーツでも同様です。
これから言えることは国内で十分食っていけると国際競争力が衰退するということです。日本は1980年代に円高に見舞われ、その後バブルになったことから、国内中心(内需中心)経済に移行しましたが、これが内向きの商品開発となり世界で受ける商品がなくなってしまったように思われます。やはり世界市場で売れることを目標に商品開発をしないと世界的ヒット商品は生まれません。日本の内向き経済が日本から輸出できる商品を失くし、所得減をもたらしたように思われます。