プルデンシャルの次はソニー生命?
プルデンシャル生命保険(プルデンシャル)は100人以上の社員や元社員(営業マン)が約500人の顧客から約31億円を不適切に受領していたと公表しました。このうち約23億円が未返済になっているということです。この約31億円は投資商品の購入や借入の名目で顧客から営業マンに交付されていたということです。
この事件の報道を受けて私はソニー生命を思い出しました。営業マンの報酬体系がほぼ同じなのです。私がソニー生命を知ったのは、多くの生命保険会社の代理店になれる乗合代理店が解禁された頃で、ソニー生命の優秀な営業マン数十人が相乗り代理店を創業したためです。社長は30代でなんと三井物産からの転身でした。それを知って「三井物産を辞めて保険の営業をやるなんてあるのか」とビックリしました。聞けば社長はソニー生命のトップクラスの営業マンで年収は数億円と言うことでした。三井物産の平均的社員の生涯賃金が5億円程度と言われていましたので、当時既に三井物産での生涯賃金を軽く超えており、転身は大成功と言えました。私がその会社で普段接していた管理部門担当役員も富士銀行出身でスイスにも勤務したことがあるエリートでしたが、営業成績は振るわず管理部門担当として行動を共にしたようです。乗合代理店でも契約を取るのは報酬が良いソニー生命中心で、顧客がほかの会社の保険商品を望めばそれを紹介します。従って乗合代理店の方がソニー生命専属に比べ獲得契約数を増やし報酬を増やす可能性が上がることになります。
ソニー生命の営業マンはフルコミッション制(完全歩合制で固定給がない)で獲得した保険契約金に対する報酬の割合が高いとのことでした。営業マンは有名大企業の社員に高報酬が得られることを謳い文句にリクルートしていました。因みに私も誘われましたが、契約を取る自信がなく断りました。営業マンはみんな安定した地位を捨て転身していますので、稼ぐことには貪欲でした。特徴として企業やオーナー、富裕層など大きな金額の保険契約狙いでした。だからソニー生命を知っている個人は少ないと思われます。プルデンシャルは更に知られていないと思われますが、昨年の保険収入は約3兆8,000億円で、明治安田生命保険や住友生命保険を上回るといことですから、如何に大口契約中心か分かると思います。
プルデンシャルの今回の不正は1990年代に起きたものを含まれているとなっていますから、長い間表沙汰にならなかったことになります。通常これくらいの金額になると刑事事件になるものですが、顧客も会社も刑事事件にしたくなく双方の交渉で処理してきたものと思われます。それが処理出来ないものが出て来て刑事事件になったか、金融庁に持ち込めたのではないでしょうか。そうなるといずれ世の中に知られることとなることから公表に踏み切ったものと思われます。
保険は企業や富裕層では節税や資産運用に利用されることが多く、グレーな使い方もなされています。こういう中で活躍しているのがプルデンシャルやソニー生命です。
この縁で私もソニー生命と医療保険を契約しましたが、営業マンは新規契約の獲得しか頭になく、かつ退社(個人事業主だから廃業)も多く、医療保険を請求しようとしたら担当者がいなくなっていました。このケースは多いと思われ、普通の個人は契約しない方がよいです。
ソニー生命はプルデンシャルに倣って設立された会社であり、やっていることは同じであることから、次の火種になる可能性があります。ただし、ソニー生命が属するソニーフィナンシャルグループ社長は元金融監督庁長官(2020年7月まで)であり、もみ消すかも知れません。この金融庁長官をみれば金融庁の検査監督が効果なく、単に天下りの営業(不正を目こぼしして退職後呼んでもらう)になっていることが分かります。