食品消費税廃止の財源は福祉費の削減が筋

高市首相は自民党が衆院選に向けて掲げた食料品の消費税率をゼロにする(食品消費税廃止)案の財源について、「2年間限定であれば、特例公債(国債)を発行せずに確保できる」と述べ、財源は税外収入に加え租税特別措置(租特)と補助金の見直しで確保できるとしました。2年間としたのは、2年後に減税と現金給付を組み合わせる「給付付き税額控除」導入を想定しているからとのことです。

食品消費税廃止による税収減は年約4兆8,000億円で、これによる家計の負担軽減額は1世帯あたり平均で約88,000円、月約7,300円が見込まれています。現在物価高で食費を削って生活している家計にとっては大助かりです。

食品消費税廃止は高市首相の持論で、昨年総裁選途中まで主張していましたが、麻生議員が「それなら応援できない」と言ったことから、「レジの改修に時間がかかり即効性がない」と理由を付けて引っ込めてしまいました。それをここで出してきたのは、立憲民主党と公明党が合併し中道革新連合ができ小選挙区で競り合いになって来たこと、かつ中道革新連合が消費税廃止を公約として掲げたことが原因です。この状況では麻生副総裁も反対できないと判断したようです。

食品消費税廃止による税収減の財源として中道革新連合は、積みすぎの基金、特別会計の剰余金などで最長2年間つなぎ、その後恒久財源として政府系ファンドを作りその運用益を充てるとしています。2年間については両党とも同じであり、その後の財源が違います。自民党は食品消費税を復活し、給付付き税額控除導入で低所得者を支援するとし、中道革新連合は政府系ファンドを作り4兆8,000億円以上稼いで賄うとしています。中道革新連合の政府系ファンド案だと、約100兆円のファンド(年間運用益5%と設定)が必要となり、100兆円は国債を発行して調達することになります。運用が安定していればよいのですが、株式市場を見れば分かるように運用は赤字になるときもあることから、そのときどうするかの問題が発生します。もしこれを認めれば、次々に減税を実施し次々に政府系ファンドを設置することに繋がり、政府系ファンドの乱立を招きます。この案はちょっと乱暴と言えます。

私は、食品消費税は福祉費に充当されることになっていることから、この減収分は先ず福祉の給付を削減するのが筋だと思います。例えばデイサービスなど健康な老人に対する給付の削減です。多くの国民が食費を削って生活している中で、健康な老人がこれらの給付を受けるというのはバランスを欠きます。これの削減で介護要員不足も解消します。食品消費税は一部医療費にも回っていると考えられるので、老人の過剰受診、過剰な薬処方なども削減すべきです。