NHKプロパー会長でNHK廃止がやり易くなった

1月25日、NHK会長に井上樹彦前副会長が就任しました。稲葉前会長が岸田元首相のいとこである宮沢洋一参議院議員の東京教育大学附属中高および東大の同級生だったことから指名され、高市元総務大臣と近かった前田元NHK会長が決めた政策を次々とひっくり返したことから、今度は高市首相が腹心を送り込むかと思っていたら、そうはなりませんでした。時間がなく候補者が見つからなかったか、高市首相にはまだNHK会長を指名するだけの権力基盤ができていないのかも知れません。また古賀NHK経営委員長がNHK会長人事は経営委員会の仕事と述べ、政治の介入を阻止する姿勢を見せていたことも障害でした。

この結果決まったのが井上副会長の昇格ですが、これによりNHK解体の動きが強まると予想されます。これまでNHK会長人事は、時の総理の人脈から指名されることが多く(前田元会長は安倍元首相の後援者)、その結果自民党国会議員はNHK会長のやることに反対できませんでした。しかし井上会長が高市首相の指名でなく、かつNHKプロパーであることから、自民党国会議員も官邸の意向を気にすることなく要求を突き付けられます。現在物価高もあってNHK受信料に反発する声がかってなく高まっています。井上会長就任と共に来季は2,000人の受診料未納者に法的手続きを行うと発表されましたが、これを伝えるヤフーニュースには瞬く間に数千件の非難コメントが寄せられています。受信料問題が報道されると以前はNHKを擁護するコメントも含まれていましたが、現在では殆どありません。ほぼ全部がスクランブル放送化するか、ニュースや国会中継などに特化し(歌謡曲やドラマ、スポーツなど民間でもやれるものは廃止する)国営放送化するという意見です。この意見を見てNHK改革に動かない国会議員や政党が不思議です。今回の総選挙では急な選挙になったことや、消費税廃止が主要テーマになったこと、中道改革連合ができたことでNHK受信料問題は取り上げられていませんが、今後の選挙では争点になること必至です。この場合NHK会長が高市首相の指名でないことはNHKに不利に働きます。それに加えて今回の総選挙で総務大臣を経験し、NHKの庇護者だった2名の大物政治家が引退します。菅元首相と佐藤勉元総務大臣です。NHK予算等を審議する自民党総務員会は菅、佐藤氏の支配下にあり、NHK改革など言い出せる雰囲気にありませんでした。高市首相の下では改革を競うことになるので、NHK改革の声も上がると予想されます。井上会長は有力な政治家の後ろ盾がなく、抵抗することは困難です。

来年にはBBC受信料廃止が予定されており、それがNHK改革の号砲となります。