ゴミ箱無しで分かる日本人のエゴイスト化
学研ホールディングスが行った調査によるとは訪日旅行中の外国人の困りごとのトップは「ゴミ箱の少なさ・場所のわかりにくさ」(86%)だったということです。これは日本人に調査しても同じ結論になると思われます。人が街に出ればゴミが出るのは当然ですが、ゴミ箱がなく、ゴミの荷物を持つことになります。旅行なら旅行バッグなど大きな荷物入れがあるからまだ良いですが、街歩き(ショッピンングや食べ歩きなど)では大きな荷物入れは携帯しないので、ゴミの処分が悩みの種となります。洋服店や電気店ではゴミが出ないことから、ゴミ箱がないのは分かりますが、お菓子売り場など必ず包装物の処分が必要となる場所にゴミ箱がないのは困りものです。
日本でゴミ箱がなくなったのは、1995年に起きた地下鉄サリン事件がきっかけのように思われます。毒物や爆発物が地下鉄や鉄道のホームのゴミ箱に置かれる恐れがあると言う理由で、地下鉄や駅のホームからゴミ箱が撤去されてしまいました。それに倣い公園やショッピングセンターなど人が集まる場所からも撤去されました。さらには小さな店舗からも撤去され、町中でゴミ箱を見かけることが無くなってしまいました。今必ずあるのは新幹線などの大きな駅のホームかコンビニくらいではないでしょうか。
ゴミ箱がないことをもって日本の美徳のように言っていますが、これは詭弁です。ゴミ箱がないのは、ゴミ箱を掃除したくないからです。要するに他人が出したゴミは捨てたくないという気持ちの現れです。自分がゴミを出す商売をしていないのなら、ゴミ箱を置かないのは分かります。最近は自分の商売からゴミが出るのにゴミ箱を置いていない場所もあります。2025年11月7日にNEXCO中日本名古屋支社はXで、管内の一部パーキングエリア(PA)からゴミ箱を撤去すると発表しました。その理由として家庭ごみや不審物の投棄が多発している現状を挙げ、安全確保や環境維持、防犯の観点から苦渋の決断に至ったと説明していますが、本心はゴミ捨てにかかる費用を減らすためです。このように日本におけるゴミ箱の撤去は自分らの仕事や費用を減らすためになっています。多くの人が集まることで商売が成立している場所ならゴミが出るのは当然であり、そこで出たゴミを処分することは商売の一部と考えられます。例え事業用ゴミでも大した処理費用ではないことから、これを客に押し付けようと言うのは余りにも見っともないと思われます。
日本旅行の美点として「おもてなし」という言葉が使われますが、ゴミ箱がない状態は、日本人の本性が「おもてなし」とは真逆の自分さえよければよいエゴイストであることが分かります。こういうエゴイスト集団で構成される日本では、不特定多数を相手にする事業所にはゴミ箱を設置することを法律で義務付ける必要があります。