半導体企業の高給を考えれば理系一択
今半導体産業が絶好調です。株価は数倍になっていますし、半導体企業では普通の従業員でもボーナスは数百万円で、年収は従業員平均で1,000万円を超えています。
それもあり私も半導体のことを勉強したところ、技術の進歩に驚きました。現在生産されている最先端半導体は2nmですが、nm(ナノメートル)は、「10億分の2m」または「100万分の2mm」と人の感覚では分からない微細さです。日本人女性の髪の太さは平均で 0.08mmですから、80,000nmに相当します。つまり、2nmは、髪の毛の細さの40,000分の1に当たります。ウイルスの大きさはおよそ「10,000分の1mm」と言われていますので、2nmはウイルスの50分の1となります。nmの次の単位はÅ(オングストローム)という単位で、原子を数える際に使われる単位のようです。2nm半導体の次には1.4nm半導体の実用化が待っているということであり、この段階では原子を1個ずつ操作する技術が求められることになります。
2nm半導体では2nmという長さがあるわけではなく、それに相当する性能の半導体という意味のようです。例えば5nm半導体で5nmというのは、トランジスタに電圧を加わえると電流が流れる回路(チャネル)の幅だったのですが、2nmになると細すぎて電流が漏れてしまい今までの設計ではトランジスタの機能(電流が流れる・流れない=1・0)を発揮できず設計を変更したため連続性がなくなったようです。そのため数字はバージョンの意味しかないようです。
この回路幅の半導体を製造するには、極端紫外線という光を使うしかなく、世界でオランダASML社の極端紫外線(EUV)露光装置(1台200~300億円)が使われています。極端紫外線は線幅13.5nmで(これを何度も鏡に当て細くする)X線に近いため、操作するのが難しく世界最高水準の部品で作られています。工業生産装置というより科学実験装置でありノーベル賞が授与されても良いような発明品です。このように半導体産業は工業と言うより科学の水準に到達しており、これを実現している企業の構成員が高給を取るのは当然のように思われます。
半導体企業の高給に対抗できる文系の職業は、商社、メガバンク、証券会社、生損保でしょうか。商社は産業物資および生活物資の供給網を押さえており、盤石な事業基盤を有しています。メガバンクも資金供給の大所を押さえており、強い事業基盤を有します。証券会社もインフレ下においては強いです。生損保は人の不安に付け込む事業であり、成長性に弱みがあります。こう考えると半導体産業に対抗できる文系の職業は商社とメガバンクのように思われますが、商社やメガバンクでは理系人材の採用を増やしており、文系人材の職場とは言えなくなっています。例えば商社で鉄鉱石を開発輸入するのなら鉱石や金属に強い理系人材が必要ですし、食糧調達では農業系や生物系学部出身者が求められます。これはメガバンクでも同じで、銀行業務が数字を扱うことからIT化が進むことは必定であり、情報系学部出身者が重宝されますし、取引先の開拓や審査においては取引先の商品や技術を評価できる理工系の人材が有利です。そのため今後メガバンクでも理系出身者が増加していくと予想されます。すると文系人材に残るのは放送、新聞、サービス業などコミュニケーション産業となります。文系に未来は無く、大学進学は理系一択です。