電通の債務超過が見られるかも
電通グループ(電通)が2月13日に発表した2025年12月期の連結決算は、売上収益が1兆4,352億円で、最終損益が3,276億円の赤字となりました。前期が1,921億円の赤字、前々期が54億円の赤字でしたので3期連続の赤字となります。
2025年12月期の赤字は、海外子会社の不振に伴う減損処理4,025億円が最大の原因です。2024年12月決算でも2,352億円、2023年12月決算でも722億円の減損処理を実施しており、3年間で約7,100億円の減損処理を実施しています。減損処理は利益で回収できると判断して購入した資産が見込み違いで回収できないと判断される場合に、帳簿上の資産価値を落とす(損失化する)ことです。電通の場合、海外(主に米国および欧州)の広告企業を純資産を上回る価格で買収し、差額をのれんという資産に計上していましたが、赤字続きで回収できる目途が立たなくなったため減損処理を実施したようです。電通が2021年に本社ビルを約3,000億円で売却したのは、減損処理により利益剰余金がマイナスに転じるのを防ぐためだったようです(2025年12月末の利益剰余金は475億円)。
これは電通と言う会社に経営力がないことを現していますが、電通と言う会社の性格を考えると当然と言えます。電通の性格は「鬼10則」という社員の心構えを説いた格言に現れています。格言は以下の通りです。
- 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
- 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
- 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
- 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
- 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
- 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
- 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
- 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
- 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
- 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
これにより電通のモーレツ営業マンが生まれると言われています。
更に「戦略十訓」というものがあり、内容は以下の通りです。
- もっと使わせろ
- 捨てさせろ
- 無駄使いさせろ
- 季節を忘れさせろ
- 贈り物をさせろ
- 組み合わせで買わせろ
- きっかけを投じろ
- 流行遅れにさせろ
- 気安く買わせろ
- 混乱をつくり出せ
こちらの方は電通の仕事のやり方を表しています。 これは原価の安い物を高く売りつける極意を述べたものであり、詐欺師に通じるところがあります。これを読めば電通では例えば1億円で制作したテレビCMをクライアントに30億円で売りつける営業がこの通りに行われていることが分かります。
一方でこんなことをやっている集団からしっかりした経営が生まれる訳がなく、今回のような大きな減損処理が出てくるのは当然と言えます。海外の広告企業を買収するときも戦略10訓の乗りでやっていたようです。海外の広告企業は電通以上の曲者ですから、電通は逆に高く買わされていたのです。電通のバランスシートを見るとまだ資産にのれんが3,201億円、無形資産が1,782億円計上されているので、今後これらが減損処理される可能性があります。電通の自己資本は4,479億円となっており、これらが損失化すると電通は債務超過となる可能性があります。これが虚業企業電通の成れの果てであり、実業企業は電通と付き合わないことが賢明です。