スペースワンの社長は元経産官僚の後期高齢者
3月5日、和歌山県串本町に専用射場を持つ自称民間ロケット企業スペースワン社のカイロス3号打ち上げが失敗に終わりました。これで3回連続の失敗です。
ロケットは午前11時10分に打ち上げられ、68.8秒後飛行中断措置によって自動的に爆破されました。第1号機は着火5秒後に爆発、2号機は約8分後に爆破されていますので、改良は進んでいないと言えます。
原因の究明はこれからですが、初歩レベルの失敗が続いていることから、カイロスの設計図に欠陥があるか、同社にカイロスの設計図を正しく理解できる人がおらず、過去2回の失敗の究明が不十分だったと考えられます。カイロスは全長18mの固体燃料ロケットで、同じく固体燃料ロケットであるJAXAのイプシロン(24m)と比べて一回り小さいサイズです。液体ロケットH3は全長63mですから、カイロスは約3分の1のサイズとなります。低コストで受注後短期間で打ち上げられることを売りにしていますが、防衛用ロケットとしての狙いもあると思われます。
2022年10月にはイプシロンも打ち上げに失敗しており、これで固体燃料ロケットは4回連続の失敗になります。イプシロンとカイロスは違う設計ですが、一部のパーツは共有しているようです。イプシロンは失敗の原因を究明できないため次号機を打ち上げないなかで、カイロスは2024年の3月の1号機打ち上げから今回で3号機の打ち上げであり、原因究明が不十分だったという非難は免れません。日本のロケット人材はJAXAと三菱重工に集中しており、カイロスの人材不足は明らかです。そうなるとJAXAのイプシロンとカイロス開発の統合も必要になるように思われます。このままのペースでカイロス4号機の打ち上げを目指すようであれば、また失敗するか、成功と失敗を繰り返すことになると思われます。
カイロスの失敗は、スペースワン社の成り立ちに起因しています。スペースワン社は民間初のロケット打ち上げ企業と自称していまますが、実体は経産省が音頭をとって関連民間企業に出資を依頼して設立した似非民間企業です。その証拠が社長に元経産官僚の豊田正和氏が就任していることです。豊田氏は1949年生まれで今年77歳となり、後期高齢者になります。最先端の宇宙ビジネス企業のトップが後期高齢者とはお笑いです。これはスペースワン社が準国策企業であり、経産省が全面的に支援していることを示すための人事と考えられます。しかし豊田社長には技術的知見もビジネス経験もなく、ロケット打ち上げ企業の経営者としての資格がないなのは明らかです。それに豊田氏2018年に日産の社外取締役に就任し、2022年に同社ゴーン会長が逮捕される原因となった日産クーデターで日本人役員の中心だったとも言われています。日産はゴーン会長時代業績好調であり、ゴーン会長逮捕で業績は急速に悪化し、現在倒産の瀬戸際に立っています。企業において業績好調の経営者は代えないと言うのが鉄則であり、排外主義や義憤からゴーン追放に加わった豊田氏は日産経営危機を招いた戦犯の1人と言えます。豊田会長は3回の打ち上げ失敗後の記者会見でいずれも「失敗とは考えていない」と発言しており、製造業における失敗の意味が分かっていません(製造業ではロケットが飛ばなかったら失敗)。豊田会長のこの発言には「後ろに経産省が控えているから、何回失敗しても会社はびくともしない。最終的に成功すればよい。」という親方日の丸意識が感じられます。こんな豊田氏が社長を務めるスペースワン社に着実な進歩はあり得ず、カイロスの度重なる打ち上げ失敗は必然と言えます。スペースワン社が本気で打ち上げ成功を目指すなら、先ずは疫病神である豊田社長を交代させるべきです。
尚同じく経産省主導で設立された先端半導体生産企業ラピダスも会長は後期高齢者(今年77歳)で、社長はもうすぐ後期高齢者(今年74歳)です。いずれも経産族のドン甘利明衆議院議員(当時。今年77歳)の後押しで実現したプロジェクトであり、甘利氏が同世代を経営者に押し込んだようです。このように経産省主導企業では経営者に余命短い老人を持ってきており、成功するわけがありません。