NHK解約で日本のテレビメーカーは滅亡

1月20日、ソニーグループ(ソニー)はテレビ事業を分離し、中国テレビ大手のTCLと合弁会社を設立すると発表しました。出資比率はTCLが51%、ソニーが49%です。新会社はテレビやホームオーディオの開発・設計から製造、販売までをグローバルに手がけ、ブランドとしては引き続き「Sony」「BRAVIA」を使用するということです。

これで今後ソニーのテレビ技術者は新会社に移り、高級テレビの開発を担い、製造販売はTCLが担うことになります。合弁会社の体裁を取っていますが、実質的にソニーのテレビ事業のTCLへの譲渡であり、リストラです。既に日本のテレビメーカーのうち東芝のテレビ事業は中国ハイセンスに、シャープは台湾鴻海精密工業に譲渡されていますので、日本企業と言えるのはパナソニックだけになりました。パナソニックも事業の選択と集中を進めていますので、テレビ事業の切り離しは近いと思われます。

1980年代から2000年代初頭にかけ日本のテレビメーカーは世界市場を席巻していましたが、2010年代に入ると競争力を急速に失い、撤退や事業売却が相次ぎました。

日本のテレビメーカーを負かしたのは韓国のサムスン電子とLGですが、両社も中低級テレビでは中国メーターに勝てなくなり、高級品にシフトしています。世界市場を見ると日本メーカーは低級品で中国メーカーに、高級品では韓国メーカーに駆逐されていますが、国内市場を見ると薄型テレビのシェアはレグザがトップでシャープが2位と健闘しています。全体のシェアでは中国勢が過半数を超え輸入が増えていますが、高級品は国内生産が多く、産業としてはまだ重要です。

しかし国内生産が増える可能性はありません。何故ならNHKを解約するためにはテレビを廃棄する必要があり、昨年1年間(2004年4月~2025年3月)で735,093件の解約があったことから、約735千台のテレビが廃棄されたことになります。解約件数は毎年増加しており、この分テレビの買い替え需要が消失していることになります。NHKの1日当たり視聴時間は契約者1人当たり約5分と言われており、NHKはほぼ見ない状態です。しかし民放はまだ見られておりテレビは民放を見るために必要な存在いなっています。なのにNHKを解約するにはテレビを破棄しなければならず、一番の被害者はテレビメーカーです。殆どの産業が国際競争に負けて弱体化したことを考えれば、日本からテレビメーカーが消滅することは防ぐ必要があります。日本人はまだ日本製のテレビを愛しており、NHK解約のためにはテレビを破棄しなければならないと言うルールは廃止する必要があります。