NHK井上会長で受信料制度は終わり
3月20日読売オンラインがNHK井上会長へのインタビュー記事を掲載しました。
受診料制度の是非について真正面から聞いており、NHK応援団が多い新聞には珍しい国民目線の記事となっています。
井上会長は受信料の根拠について放送法に規定する義務だからと言うのみです。放送法がテレビ放送はNHKしかなかった1950年代に作られ、多放送化が進んだ現代では妥当性を欠いていること、更にネット配信が現れテレビですら見ない人が増えているという事情は無視しています。
「いったん契約した人はNHKの番組を見る意思があるはずで、見ているはずだ。それなのに支払っていないというのなら、そこに手をつけないわけにいかない。」
と言っていますが、詭弁です。契約しろと脅迫じみたことをするから契約したのであり、契約者が1日にNHKを見る時間は平均5分と言われています(全く見ていない人が多いと言うこと)。スクランブル化できるのだから払わない人は見れないようにすればよいだけです。それはしないというのは、見ない人にも受信料を払わせたいからです。
肝心の受信料制度の是非については
「放送法は『公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ良い放送』を行うのがNHKの役割と規定している。その役割を果たすための自主的な財政基盤として受信料制度がある。(受信料は)受信の対価と思われているかもしれないが、そうではない。『豊かで良い放送』には、例えば災害時のどうしても国民に伝えねばならない放送も含まれている。そのための財源を公平に負担してもらうのがNHK。有料配信やスクランブル方式などとは相いれない。この制度の意義について、もっと理解してもらわないといけない。」
「この制度自体はやっぱり最上だと思います。災害・選挙報道などは相当なカネがかかり、これをみんなで公平に分担して賄うことは、全体のサービスにつながる。何より(公権力などからの)独立性ですね。この制度なら一線を画せるので、ものすごく貴重だ。受信料は徴収までNHKが行い、完結している。そのことがいかに貴重か。」
独立性については、NHKが政府から自由でいたいための方便に過ぎません。税金で運営するなら政府のプロパガンダ機関でも構いません。見ないだけですから。
聴者中には「報道や教育・教養番組を受信料で賄っていくのは理解できるが、ドラマやバラエティー、音楽番組などまで受信料で制作する必要があるのか」との声は少なくない点については
「ジャンルよりも、受信料に値するコンテンツなのかどうかが大事」
と述べていますが、受信料支払拒否者はNHKの番組は受信料に値しないコンテンツと考えています。
これが高校の弁論大会なら井上会長は笑い者です。井上会長は受信料制度がNHKにとって最善の制度であると述べるのみで、「国民の見ないから払いたくない」という当然の意思に答えていません。受信料未払い者には法的督促を強化するようですが、督促を受けた人はテレビ受信機を廃棄し受信契約を解約しますから、民放の衰退を招き、テレビ工場の消滅に繋がります。日本のテレビメーカーは中国や台湾の企業に買収され、残るはパナソニックのみですが、パナソニックもテレビの減少を見越して事業整理に動いています。現在政府では国内産業の育成に力を入れていますが、NHK解約により日本からテレビメーカーが消える事態にも手を打つ必要があります。
尚本件記事を書いた記者は、NHKの財政が厳しいと述べていますが、そんなことは全くありません。NHKの2026年度の計画は事業収入6,180億円、事業支出6,871億円、差し引き690億円の赤字となっていますが、これは国民と国会議員を騙すための数字のトリックです。一般企業ならこんな赤字計画出せません。何故なら信用不安を招くからです。NHKの場合、純資産が8,286億円あり(2025年3月末)、これは受信料を貯め込んだものです。これ以外に子会社に1,030億円隠しています。これをNHK放送センターの建設引当金1,348億円と取り過ぎた受信料を契約者に返すための還元目的引当金1,375億円、繰越剰余金416億円に分けて管理しています。更には承継資本・固定資産充当資本が5,146億円ありますが、これは受信料で土地や建物を買ったもので、昨年より498億円増えています。
前田元会長がNHK受信料10%の値下げを決めたのは、NHKが受信料をせっせとため込み、その額が1兆円に近付いていることに気付いたためであり、NHKが2026年度に690億円の赤字を出す計画なのは、この数字を減らすためです。従ってNHKは還元目的引当金と利益剰余金の合計額1,791億円が消えるまで赤字を出し続けます。本当は子会社に隠した1,030億円を含め2,821億円減らす必要があります。このようにNHKの赤字は普通の会社の赤字とは全く違うのです。採り過ぎたお金があるのでそれを帳簿から消しているだけです。NHKとしたら何も困らないから、来季予算では支出も削っていません。この記事は国民目線の良い記事ですが、こういう財政的カラクリについての理解も必要です。