大阪は過密都市、東京は過大都市
東京に10年くらい住んだ後、大阪に2年住んだことがあります。引っ越した年の夏は、連日35度以上、37,38度の日がある灼熱地獄の夏でした。大阪の街中は、東京都比べると緑が圧倒的に少なく、アスファルト、コンクリートに覆われているせいで、こんなに高温になるのでは、感じました。大阪人は、木はお金を生まないし、逆に落葉や倒木などで手間がかかるから、木を植えるスペースがあるなら、そこに建物を建てたり、駐車場にしたりして活用しているように思いました。普通なら木々が多いお寺でさえ、四天王寺に行けば分かりますが、木が少なく、大阪の街の再現です。大阪の街中は、建物や家が密集しているところが多いです。多分人口密度は東京都心より大阪の街中の方が高いのではないでしょうか。大阪は、たくさんの人たちが密集して住み、激しく競い合って生活しているように感じました。一緒に仕事をしていた大阪出身の人は、「転勤で東京でも仕事をしたけど、大阪より東京の方が仕事は楽や。お客さんが無茶言いませんもん。」と言っていました。大阪は高い人口密度の中で、激しい競争を繰り広げているので、儲けるのは東京より厳しいと思います。私のように東京から転勤した者でも、挨拶に行くとにこやかに迎えてくれるのですが、なかなか仕事はくれません。そして、2年後帰任の挨拶に行くと、「あんたもやっと顔見知りになったのに、もう帰るんか」と言われました。本当に信頼されるまでには相当の付き合いが必要です。大阪は1580年代、豊臣秀吉が大坂城を築いてから商都となったわけですが、その当時の文化、習慣を色濃く残しているように感じます。大体大阪弁がそうです。東京は各地から人が流入することによって、言葉も作り替えてきましたが、大阪は流入してきた人たちに大阪弁を使うことを求めました。そうして大阪弁を今まで維持してきたのです。この頑固さが大坂人の最大の特徴だと思います。約400年前の文化、考え方を維持してきており、日本で一番古臭い人たちかも知れません。
街中は人口密度が高い大阪も、神戸線を除けば電車で30分も行けば、田園地帯となります。当時の大阪での平均的通勤時間は40分程度ということでした。一方東京は、電車で1時間行っても田園地帯にはなりません。平均通勤時間も1時間以上です。よくスカイツリーなどから東京の街を俯瞰したテレビ映像が流されますが、あの通り、見渡す限り建物が建っています
私が当時、大阪と東京の街を比較して考えた表現は、大阪は過密都市、東京は過大都市でした。