国立公園の観光活用、接続バスへの支援も必要
政府は海外からの観光客を国立公園に誘導し、日本の魅力を増大させるとともに国立公園がある地方を活性化させるため、国立公園のナショナルパーク化を進めるという報道です。大賛成です。
私は今福岡に住んでいますので、九重について書きたいと思います。九州の国立公園で今後多くの海外観光客を誘引できる可能性があるのは、阿蘇くじゅう国立公園の九重山地区です。先ず登山があります。九州で比較的高い山が多く、1500m~1800mくらいの標高がある山が10くらいあり、本格的な登山気分を味わえます。また、そんなに危険ではないため、家族登山、団体登山が可能です。季節的にも四季にわたり登山が可能であり、それぞれ季節に応じた魅力があります。
周辺には温泉も豊富で、温泉に宿泊し、連日登山も可能ですし、坊がつるまで行けばキャンプも可能です。課題としては、坊がつるキャンプ場のトイレがウジ虫うようよという日本でも見かけない状態なのは改善する必要があると思います。富士山のトイレのように有料でも良いので、気持ちよく用を足せるトイレが必要だと思います。環境省所管ではトイレの管理までは手が回らないと思いますので、募集・申し込みを含めキャンプ場の管理全般を民間事業者に委託すればよいのではないでしょうか。6月の深山霧島の時期や夏休み期間などは、いまでも日本人で混雑するので、海外からの観光客が増えたら相当な賑わいになるはずです。
現在、九重山に来る人の殆どはマイカー利用ですが、海外の登山客やトレッキング客を増やすには、バス便の確保が欠かせないと思われます。現在は大分・熊本からの定期便と中九州自動車道の九重インターバス停から定期便があります。このうち、大分・熊本からの定期便は便数が少ないので、福岡・大分間の高速バスと接続する中九州自動車道の九重インターバス停からの便が重要になると思います。現在は1日三便です。これは、九大本線中村駅でJRとも接続しています。この定期便は、2年くらいまで日田バスが運行していましたが、採算が合わなかったようで現在は九重町が運行を引き継いでいます。九州の登山客でもこの路線の存在は知らない人が多く、今でも採算は厳しいと思います。従って、先ずはこの路線があることの周知が必要だと思います。何分九重町の運営ですので、財政的にも厳しいはずで、いつ打ち切りないし減便になるか心配されます。
そこで、政府として長期的視点で国立公園へ海外からの観光客を誘引しようとするなら、こういう接続バスへの支援も必要だと思います。5年後、10年後の利用者の増加を見越して、その間赤字額を支援してやる施策が必要です