京都の人口減少は、住民構成の変更のためで問題なし

京都市(以下京都)が人口減少問題の解決のために、建築物の高さや土地の用途を定めている新景観政策と都市計画の見直しを進めているとの報道がありました。京都も人口が減少しており、2045年には今の147万人から129万人となるとの予想です。特に生産人口(15~64歳)の割合が64%から52%に落ち込むことを危惧しているとのことです。

京都市内の子供を持つ世代が京都府内の他の町や滋賀などに移住するケースが増加しているようです。

現在の京都市内は、観光客で溢れ、ホテル建設などのニーズは多いのに、開発できる土地がないことから、土地の価格が高騰しています。そのため、子育てのために広い家が欲しい若い家族が郊外に転出するのは当然です。その代わり、京都に転入する資産家が増えていると思います。このように京都では、若いため所得が多くない人たちが郊外で出て、資産家が入ってくる人口移動が行われている最中だと思われます。従って、人口は減っているけれど、住民の資産総額は増加しているはずです。これは、京都のステータスが上がった結果、京都に住む人の層が変わって来ているためです。この傾向は当面続くと思われます。

こうように日本中の資産家に人気がある京都は、今後資産家の住民が増え、日本でも有数の資産家の町になると思われます。そうなれば税収も増え、京都の景観を守れますし、資産家が資金を出して寺社や仏閣を保護する動きも出てくると思います。昔大名たちが寺社仏閣を保護したような動きです。京都は、今までが人口が多過ぎたのです。江戸時代までは、寺社の所有地、公家や武家の屋敷が大きな割合を占め、町の面積に比べ町人の人口は多くなかったはずです。その後明治になって、天皇の東京移転や廃仏毀釈などの影響で公家や武家、寺社が保有していた土地が売りに出された結果、庶民の人口が増えて150万人を超えるような都市になったのです。庶民の人口が増えた京都では、庶民の寄進だけでは寺社仏閣などの歴史遺産を維持できません。そこで寺社は、拝観料を徴収して、自らを維持してきました。京都の寺社が立派なのは、昔京都には寺社のパトロンが沢山いたためであり、庶民が沢山いたためではありません。従って、今の人口減少は、庶民の人口が減り、資産家の人口が増えて、昔の京都のような人口構成へ戻っているだけです。京都市内にはたくさんの人を雇用する生産施設や職場は必要ないと思います。京都に必要な職場とすれば、ホテルや旅館、観光土産店、それに大学や企業の基礎研究所などです。

尚、今の京都の最大の問題は、バスの混雑状況だと思います。夕方など観光客で満員で、通勤通学客が乗れない状況です。これを解決するには、地下鉄しかないと思います。東大路通と西大路通、今出川通、七條通に地下鉄を通して、四角形に繋ぐ必要がると思います。今の混雑状態は、住民にとっても観光客にとっても忍耐限度を超えていると思います。観光客の多さを考えれば、採算は成り立つでしょう。人口問題より、こちらの解決に力を注ぐべきだと思います。