NHKは超セレブ企業

NHKの2018年3月期の決算書を初めて見て驚きました。ぴっかぴっかの決算内容であり、財務内容なのです。日本の企業の中でもトップクラスの財務内容です。民間放送局全部合わせても勝てないでしょう。

バランスシートを見ていくと、総資産は1兆2,587億円です。NHKとして持っている資産の合計額です。このうち8,341億円は純資産と呼ばれ、受信料と利益を貯めたものです。このうち、固定資産充当資本4,697億円は、建物・放送設備などの固定資産約4,536億円などに使われた受信料額です。連結剰余金3,529億円は、子会社も含めた利益の累計です。NHKの利益を少なくして、子会社で利益をプールしている構造が見えます。受信料を子会社に落とし、自由に使えるお金に変えるマネーロンダリングとも言えます。

総資産と純資産との差額4,246億円は、負債という分類になります。いずれ支払う必要がる金額です。負債には1年以内に支払う負債(流動負債)と1年以上かけて支払う負債(固定負債)があります。流動負債が2,568億円で固定負債が1,678億円です。流動負債で大きな金額となっているのは、受信料前受け金で1,411億円あります。これは前払いの受信料の総額で、負債と言えるものではありません。従って、本当の流動負債は今月の経費や外注費などを来月以降支払う分などの1,157億円です。固定負債は、職員の退職金の見積額1,330億円が殆どです。この支払いに充てるお金は、実際に退職金が支払われるまで有価証券などで運用されています。民間企業の負債の部で多い銀行借入金はわずか2億8000万円しかありません。これも本来生じるはずがないものでたまたま生じたものだと思います。

純資産や負債で調達した資産を見ていくと、流動資産4,525億円、固定資産6,355億円、建設積立金1707億円となっています。流動資産は流動負債で賄い、固定資産は、純資産で賄うのが良い会社です。NHKの場合、流動資産4,525億円を、流動負債2,568億円と、連結剰余金3,529億円のうち1,957億円が充てられています。余裕のあるお金の使い方です。

流動資産の中身を見ると、現金・預金が1,294億円となっていますが、これは支払いに備えて銀行に預けられているお金です。大体毎月の支払額の1~2か月分あればよいと言われていますので、十分過ぎる金額を準備していることになります。当面使う予定がない余裕資金は、有価証券で運用しています。この金額が2,712億円となっています。これも羨ましい金額です。この流動資産の内容なら、どんな素人でも経営できます。経営能力がない人が経営することを想定した財務内容です。

固定資産の内容は、有形固定資産4,536億円、出資その他資産1,634億円などです。有形固定資産の中身は、建物2,222億円、機械装置および車両運搬具が1,525億円、土地が559億円となっています。土地は時価評価すると10倍以上の値打ちがありそうです。

出資その他の資産で注目されるのは、長期保有有価証券1,259億円です。中身は書いてないので分かりませんが、流動資産の有価証券が1年以内に換金を予定しているのに対し、1年以上保有する予定の国債などの有価証券だと思われます。これは職員の退職金の支払いに充てるための運用資産だと思われます(退職給与引当金に対応)。これだと職員は確実に退職金を貰えます。最後に他所ではあまり見かけない建設積立資産という名前で1,707億円が計上されています。これは新しいNHK放送センターの建設費のようです。完成すれば建物などの有形固定資産に振り替えられます。これは、新放送センターの建設資金は確保済みであることを示しています。利益剰余金が充てられている計算になりますが、実際は受信料が使われています。

この財務内容を見ると、超優良企業と言うより、超セレブ企業と言った方が当たっていると思います。日本にもこんな恵まれた企業があったのかという財務内容です。住民税も払えない、あるいは免除されている低所得者から、お金を巻き上げる受信料制度が如何に不条理であるか再認識しました。これでは低所得者は浮かばれません。

NHKは総務省の管轄下にありますが、今問題になっている携帯電話会社も総務省の管轄下にあります。携帯電話会社も3社で約13兆円国民から巻き上げ、営業利益約3兆円、営業益率約20%(今期予想)という高収益を誇っています。経済産業省管轄下の同じ公益企業である電力9社が営業利益約9,800億円、営業利益率5%(2018年3月期)であるのと大違いです。総務省は、管轄する団体および企業を富ませるために、当該団体および企業が国民から収奪することを助けています。江戸時代の悪徳商人と組んだ悪徳代官のようです。この総務省の実体は、国民収奪省です。総務省がなくなれば、国民の生活はよくなるし、低所得者は救われます。

次の通常国会では、NHKにネット同時放送を認める放送法改正がなされるそうです。NHKと総務省および自民党の出来レースであり、改正は間違いありません。NHKは、国会議員の子息や親族、関係者を雇用することによって、国会議員を傭兵化していますので、放送法改正を審議する国会の委員会に、そういう議員がいないか監視する必要があります。そういう国会議員は、利害関係者として審議に加われないはずです。NHK受信料に不満を持つ人たちは、この放送法改正審議に注目です。そして、賛成した国会議員には絶対投票しないようにする必要があります。そうでないと、この悪魔の受信料制度を変えることはできません。