携帯電話、営業利益率5%まで値下げを

携帯電話の料金がなかなか下がりません。昨年から値下げについて総務省内で検討されているようですが、何も成果は出ていません。NTTドコモは、この春に値下げると表明しましたが、KDDIやソフトバンクは、もう十分値下げしたと言い、値下げには消極的です。一方、携帯電話3社のこの3月期の営業利益は約3兆円、営業利益率20%程度が予想されています。同じ公益企業である電力9社の昨年3月期の営業利益が約9,800億円、営業利益率約5%ですから、携帯電話3社の利益率が如何に高いかが分かります。画期的発明や今までなかったサービスでどれだけ利益を上げようが文句はありません。しかし、携帯電話事業は、国民の財産である電波を借りて営んでいる電力と同じ公益事業です。公益企業は、国民の生活に不可欠なサービスを確実に安価に提供する義務があります。従って、倒産しないような利益構造が保証されていますが、利益率は低く抑えられています。携帯電話事業は、公益事業、国民の生活に不可欠なサービスであることを悪用し、家計から収奪しています。

そのために悪知恵の限りを尽くしています。3社で寡占状態として、3社が共に儲かる仕組みを作り上げました。そのため、2年縛り、4年縛りという奴隷制度を連想させる契約制度を作り上げました。これで他社への乗り換えをできなくしました。また、期間の定めのない契約の料金を高く設定し、2年縛りがお得となる料金体系としていますが、実際はこの2年縛りこそが携帯3社の高収益の基です。現在、2年縛りの解約期間を2か月から3か月に延長し、2年縛りの制度を維持する方向で検討されているようですが、これでは、今の国民収奪の実体は変わりません。期間の定めのない契約の料金を合理的金額に下げる必要がります。また、解約料を9,500円など高額に設定し、解約できないよう心理的および金銭的圧迫を加えています。これだけ、人を縛り、圧迫を加えた契約は、日本の契約史上例を見ないものです。なぜ携帯電話3社は、こういうことをするのでしょうか?それは、携帯電話3社の経営者に、日本に対する愛着や日本人に対する愛情のない人たちが揃ったからです。それに監督官庁である総務省の官僚が公務員の使命を忘れ、携帯電話3社の利益を極大化すると言う気違いじみた方向に走ったからです。また、公正取引委員会が自分たちの使命を忘れ、サボタージュしたからです。

その結果、家計から何兆円と言う貴重なお金が携帯電話3社に吸い上げられました。その分家計は困窮しました。国の財政を見れば、国債残高は40兆円を超え、解消の目途は立っていません。家計に支払えるお金があるのなら、それは税金として国家に入れて貰わないといけないのです。それを総務省は携帯電話3社に吸い上げさせているのです。

菅官房長官が「携帯電話料金はあと40%と引き下げられる」と発言し、料金引き下げに向けた動きが始まりましたが、総務省はまた携帯電話3社保護を画策し、僅かな値下げでお茶を濁そうとしているように思えます。菅官房長官の言う40%値下げとは、金額で言えば5兆円のことです。売上高13兆円を8兆円まで下げろ(38%低下)と言うことです。これで携帯電話3社の営業利益は4,000億円程度に下がり、営業利益約5%と電力会社並みとなります。

それをやらず、今の携帯電話3社の営業利益20%が認められると、電力、ガスなどの公益企業全社が営業利益20%を目指すことになります。そうなると今後公益料金の値上がりで、今より毎年20兆円以上が余計に家計から吸い上げられることになります。そうなれば、日本の家計は破綻続出です。

携帯電話料金問題は、公益企業の利益率をどの程度まで認めるのかと言う問題であり、電力会社並みの営業利益率5%まで下げないと家計が持ちません。