自然災害即応部隊、九州こそ設置すべき
東京都は、2019年度、東京消防庁に大規模な自然災害時の初動対応を専門とする「即応対処部隊」(仮称)を創設することを決めたという報道です。地震や豪雨などにより被害が生じた際に迅速に救助活動を行うことが狙いです。
先遣隊となる情報部隊がドローンなどを活用、現場の実態を把握し、泥地や急斜面などを走行できる全地形活動車や水陸両用のエアボートなどを投入し、これまでたどり着けなかった場所でも早期に人命救助を行えるようにするということです。
実は、東京都は平地が多く、余り自然災害は起きていません。昔は多摩川がよく氾濫し、水害が起きていましたが、河川改修や貯留施設の整備が進んだおかげで、最近は全くありません。しかし、荒川周辺には海面以下の地域が多く、一旦洪水や津波が起きると甚大な被害が予想されるところから、それに備えるためと思われます。
小池知事が元防衛大臣だったため出てきた発想と思われます。地方自治体の最大の使命は、住民の生命を守ることであり、1人でも多くの生命を守る仕組み作りは、平時にこそ行う必要があります。年間予算7兆円を超える東京都だからできることとも言えます。従って、他の多くの自治体で同じことをすることは難しいかもしれませんが、道州制の単位となるブロックでは可能ではないでしょうか。
私は、熊本出身なので、最近毎年どこかで地震や豪雨、台風などの自然災害を被っている九州こそ、九州ブロックとして、東京都のような自然災害即応部隊を持つべきだと思います。例えば、2016年に大規模な地震にあい、防災意識が高い熊本に九州ブロックとしての即応部隊を置けば、九州一円に1時間以内に情報収集部隊を派遣できます。その情報に基づき、必要な計画を立案し、救助活動を迅速に展開できます。これにより、今まで救えなかった人命を救えるようになります。
航空機のハイジャックに備え、各管区警察に特殊襲撃部隊(SAT)が準備されています。しかし、ハイジャックはここ何十年間発生していないのに対し、地震や豪雨、台風による被害は、毎年、各ブロックのどこかの県で起きています。そういう点では、SATよりも自然災害即応部隊の方が必要性が高いと考えられます。
私は、九州は早く道州制に移行しないと、日本では不要な島になってしまうと思っていますが、その先駆けとして、先ずは九州ブロックで自然災害即応部隊の設置を実現して欲しいと思います。