企業が欲しいのはコネが沢山ある学生

大学と企業との就職協定は、廃止される方向にありますが、政府は未だ暫く現状のまま続けると言っており、学生の中には政府の言うことを信じ、3年の3月まで就職活動を始めない学生もいると思います。ずばり、そういう学生は企業が欲しい学生ではありません。企業が欲しい学生は、世の中の変化を敏感に感じ取り、状況に迅速に対応できる学生です。廃止の話が出た時点で、就職協定は形骸化しているということであり、企業は、これを守っていたら優秀な学生を採用できないから、守りません。これが分かっていれば、もっと早くから行きたい企業にアプローチするはずです。アプローチしないとすれば、就職する気がないか、その企業に入社したいという欲求が弱いからです。そんな学生は、企業は直ぐ分かります。遅れてアプローチしたら、先ず採用されることはありません。

これからは、大学進学までに、即ち高校生のときに、将来就職したい企業まで決めていないといけないと思われます。行きたい企業が決まって、そこに行くのに一番有利な大学、学部が決まってくると言う順番です。大学進学までに、大学卒業後行きたい企業が決まっていないとしたら、大学入学後就職活動が遅れるのは必然だし、就職に有利になる授業の選択や資格の取得にも影響します。これでは、就職活動で良い結果を得るのは無理です。

そんな学生でも希望する会社に入る方法があります。それは、たくさんのコネを持つことです。親が大企業や中央官庁の幹部であり、行きたい企業と取引や許認可の上で関係があれば(コネがあれば)、入れる可能性が高くなります。親にそのようなコネがなければ、学生時代に自分で作る必要がります。アルバイトやインターンで行った会社の社長や幹部とのコネや行きたい企業に就職しているOBが多いクラブやサークルに参加し、そのOBとのコネを作ることが考えられます。「コネで就職するのは嫌、自分の実力では入りたい。」と思う学生もいるかと思いますが、冷静に考えれば、それが如何に無意味なことか分かります。そもそも仕事での実績がないのだから、実力で評価してもらうことはあり得ないのです。学力は、在学している大学名で評価済みです。しかし、難関大学の学生程、勉強に偏っていたせいで、集団活動は不得手と言う人が多く、企業活動には不向きな人が多いのも事実です。

このように、企業にとって学生の評価は大変難しいのです。その点、親が大企業や中央官庁の幹部であるという事実は、企業にメリットをもたらす可能性が高いと言えます。従って、企業としてはその息子・娘を採用しておこうということになります。そもそも企業活動はコネ作りであり、コネで繋がった活動です。コネをたくさん持っている人が偉くなる仕組みになっています。

学生の皆さんは、コネについて一度よく考えて就職活動をした方がよいと思います