丸山議員の問題は東大生の作り方と選び方の欠陥を示している

丸山穂高議員が北方領土のビザなし渡航に同行した際、同行団に「北方領土は戦争で取り返すしかないとは思わないか」という趣旨の発言して、国会で議員辞職勧告決議案を提出される状態になっています。通常の社会常識をもっていれば絶対に出てこない発言です。私は丸山議員は橋本元大阪市長と対立して所属していた日本維新の会を離党する問題になったことで知っていました。確か東大卒の若い元官僚と記憶していました。当時維新内で強い影響力を持った橋本氏とやり合うとは、なかなかの人物だな思ったものです。しかし、今回の発言を聞いて人物評価が一転しましたし、東大卒の人のあるパターンに該当すると思いました。あくまで1つのパターンですが、私立中高一貫校を出て東大に入学した東大生にこういう人が多いと言う印象があります(と言っても東大入学者の大部分はこのパターンですが)。話していると、早押しクイズをやっているように問い掛けに対して素早く答えが返ってくるのです。まるで高性能のキャッシュメモリーを持っているコンピュータのようなのです。その答えは、自分が経験したこと以外でもまるで経験したことのように帰ってきて、答える本人も自分が経験したことと勘違いしている感じがしました。そのため、相手は経験していないと思われることをしゃべっても、しゃべり始めるや否やその内容を理解し頷きます。これはあなたは経験していないはずだから分かるはずがないと思っている人にとっては不愉快極まりない態度です。

このようになるのは、私立中高一貫校で東大入試から逆算した教育を受け、東大入試に受かるための知識や問題の解き方を詰め込んできたからです。そのような教育を受ければ公立中学・高校から塾にもいかず他の国立難関大学に合格した学生なら、東大に合格することは可能だと思います。要するに生まれつき頭がよくなくても東大生は作れるのです。このように作られた東大生は、入試用に開発された優れたロボットと同じです。それ以外の領域にでは全く役に立たない人も多いと思われます。スポーツで各種の大会で入賞するような人は生まれつき才能がある人であり、生まれつき才能がない人を一流の選手に仕上げるのは無理ですが、入試ではこれが可能なのです。1学年約3,000人の東大生の内、才能があって東大に入学してきたのは約20%の600人くらいだと思います。後は才能は大したことないけれど私立中高一貫校で東大に合格するための訓練を受けたから合格できた人です。こういう人は、その後社会に出て本来の素質(馬脚)を表す可能性が高いです。丸山議員がこの典型例であり、豊田元議員などもこのパターンに入ると思われます。本来の素質が現れたものであり、「突発性バカ」ではありません。尚、このパターンは、東大生でも思考に物や分子、原子が伴う実体的知識を扱う理系出身者にはなく、これらが伴わない抽象的知識を扱う文系出身者に見られるものです。

東大が本当に欲しいのはこういう人材ではないないはずで、東大は入学者の選抜方法を見直す時期に来ていると思います。同時に企業も東大生といえども選別する必要があると言えます。尚、東大の次にこの問題に直面しているのは無試験の内部進学者や東大と同じように中高一貫私立校出身者が多い慶大だと思います。