「東大法学部?ヘー、理系に行けなかったんだ!」の時代
兵庫県の灘高校は例年90名以上の東大合格者数を出してきたのに、今年は74名に留まったと話題になりました。その原因を調べてみると、1学年219名の内、理系コースが190名で、文系が29名に留まり、東大文系の受験者数が減ったからということです。最難関の東大理三(医学部)には、25名でダントツのトップ(2位が開成、筑駒で10名)ですので、レベルが落ちたわけではないし、理系では医学部進学者が増加したことが原因のようです。
このように大学文系は、理系に行けなかった学生が進むコースになったように思われます。文系最高峰の東大法学部卒業生については、難関の司法試験に合格し、東京地検の特捜部長、東京地検検事正、東京高検検事長、最高検検事総長という東大法学部卒のトップラインにより、使えるようになった司法取引を使ってみたいばかりに日産のゴーン会長(当時)を逮捕するというみっともないことをしました。東大法卒が多い中央官庁の幹部の国会での答弁も聞いていて気持ちが悪くなることが多いです。
これらは、法学部を中心とした文系の思考が観念的なものが多く、理系のように実体に基づいた思考が少ないせいと思われます。発する言葉に実体の裏付けがないことが普通になっており、いわば藪の中の話が普通になっているのです。その結果、言葉でのごまかしが横行するのです。
日本は米国と比べ製造業の生産性は負けていないと言いますが、オフィスや小売、サービスの生産性が大きく劣ると言います。これらは文系の人が多く従事する分野で、実体に基づいた業務の分析や実施がなされていないことが原因と思われます。世の中の仕事はやはり理系的な実体に基づくことが必要であり、ベースになると思います。そういう意味で、大学進学は全員理系として、理系学部終了後法曹や会計士などになるために専門大学院に進むようにすべきだと思います。現にロースクルールでは理系から進学するコースも設けられていますから、少しずつその方向にあるように思います。弁護士資格も技術士や弁理士などには専門分野を限定した弁護士資格を与えて門戸を広くしてもよいと思います。ゴーン事件を見ていると、明らかに法曹界の危機と言える事件なのに、検察の対応を批判する弁護士などの法曹関係者は殆ど見られません。特に検事出身の弁護士は検察の擁護に回っているように思えます。その中で検察出身ながらただ一人ゴーンの無罪を主張している弁護士がいます。郷原信郎弁護士です。ブログなどで特捜部の過ちを鋭く指摘していますし、日産の西川社長を検察が不起訴処分にした後には検察審査会への不起訴不当審査の申立て代理人になっています。これは、郷原弁護士が理系出身であることと関係があると思います。実体が間違っているものを正しいと言いはるなど理系人にはあり得ないのです。
このように理系出身者や理系の基礎がある人をこれまでの文系人の職場に増やして行けば、オフィスや小売、サービスなどの生産性も上がると考えられます。
そもそも高校生が大学進学で文系を選ぶのは、文系の試験が暗記中心であり楽だからです。文系を選ぶことで実体の裏付が求められる理系的姿勢を放棄しているのです。全能性の放棄ということができます。だから大学進学を希望する高校生は、先ずは全員理系に進学し、そのままいろんな職場に就職するなり、弁護士や会計士などの専門職になるために専門大学院に進むようにするのがよいと考えられます。これをしない限り、日本の生産性の問題は解決しないし、日本が今後発展することは考えられません。