日産と関電、日本の企業が没落するのは当たり前

日産と関電の役員を見れば、日本の企業が没落しているのは当然のように思えてきます。先ず日産ですが、ゴーンの逮捕はゴーンを失脚させないと日産がルノーに統合されてしまうと考えた日本人役員とゴーン逮捕により功名を上げられると考えた東京地検特捜部の陰謀によるものであり、ゴーンは被害者です。日産の問題としては、ゴーン逮捕を東京地検特捜部に働きかけた日産の取締役と監査役にあります。この日産の取締役と監査役のリーダーは西川前社長だと考えられますが、西川前社長を動かしたのは監査役連中と考えられます。それは有価証券報告書に記載してあるゴーンの報酬額が過少なのではという疑義が以前から証券取引等審査委員会などから指摘されており、近々有価証券報告書の虚偽記載で告発される可能性が強くなっていました。そのため監査役が極秘に調査したところ、そう疑われても仕方ないような事実が出てきたのです(将来のコンサル契約の存在など)。そのため監査役は、ゴーンと共に告発される可能性がある西川社長に相談し、ゴーン1人に責任を負わせる方法として、司法取引を使った顕著な実績を作りたかった東京地検特捜部に働きかけ、ゴーンを逮捕させたのです。自分らは司法取引への協力者として逮捕・起訴されない約束でした。こうして日産の日本人取締役と監査役の目論見は上手く行ったように思われましたが、至る所から綻びが出てきました。先ず西川前社長とゴーンとの間にコンサル契約が結ばれていたことが明らかになりました。これに対して西川社長は「よくわからずに署名した」と答えました。これには世間の人たちばかりでなく、一部の社外取締役もあきれ果てました。西川前社長は、虚偽記載としてゴーンが逮捕される理由とされた有価証券報告書にも責任者と署名しており、ゴーンを逮捕するのならば西川前社長も逮捕・起訴しないとおかしい立場にあり、不起訴不当の申立てが検察審査会になされていました。この上に9月にはSARの行使時期をずらし水増しされた報酬を得ていた事実が明らかになりました。こうなると以前から西川前社長にも責任があると考えてきた社外取締役が許しません。そこで西川社長は取締役会で解任が決まりました。

しかし、他にも不正をしながら全く責任を問われていない取締役や監査役が存在します。例えば、西川前社長と同様SARの行使時期をずらし水増しされた報酬を取得したとされる副社長や専務です。また、日産は、ゴーンが日産に与えた損害を約350億円と発表しましたが、これだけの損害が発生したとすれば、これを見逃した監査役に責任があるのは当然ですが、監査役の責任は何も問われていません。

これらの不正は、従業員なら厳しく処罰されることを考えれば不公平であり、会社のガバナンス上許されないことです。

関電の場合、会長、社長以下6名の役員が関電の原子力発電所が多数立地する福井県高浜町の元助役から約3億2,000万円の金品を受領していたことが判明しました。関電としてはこの事実を隠蔽するつもりだったようですが、報道されてしまい、最後には金品を受領した役員は全員辞任する事態に追い込まれてしまいました。これも当事者は居座るつもりが世間がこれを許さず、仕方なく辞任したものと思われます。金品受領は、大阪の日常儀礼であり、本人らは何が悪いかのかという感覚だったと思われます。大阪は、公私の区別がなく、私欲の実現が活力源になっている町であり、関電が大阪の会社であったために起きた事件と考えられます。それでも日本の企業のガバナンスレベルの低さを見る事例となります。

日産および関電を見ると、日本人役員のレベルは昭和の時代と変わらず、日本の大企業が世界的競争で負けて没落する理由を示すもののように思えます。