企業はテレビスポンサー料を見直すとき
今メディアを賑わしている吉本芸人の個人会社の申告漏れ(実体は脱税)が起きた原因は、芸人の収入が多いからです。本件の芸人の年収は1億とも2億とも言われています。本件を話題にしたテレビ番組で、出演していた20代の若手女性芸人も最近節税のため個人会社を作ったという話が出ました。節税のために個人会社を作るのは大体年収が4,000万円を超えてきたらと言っていましたので、彼女クラスでも年収4,000万円を超えていると思われます。若手芸人のギャラの配分は事務所と半々が多いと言いますので、事務所には一旦この倍の金額が払われていることになります。最近のワイドショーや夜のバラエティ番組を見ると、多くの芸人が出演していますので、これらの芸人に多額のギャラが支払われていることになります。ドラマの俳優などは、容姿端麗で演技力もあることから、選ばれた人たちであり、それ相当のギャラが支払われるのは当然だと思いますが、多くの若手芸人に関しては特に優れている要素は見られず、ボケたり、突っ込んだり、自虐ネタで笑いを取っているだけです。見る人にとっては彼らから得るものはないと思います。世の中には、もっと評価されるべき仕事をしている人たちがごまんといます。そんな中若手芸人が高収入を得られるのは、番組スポンサーの企業が多額のスポンサー料を払っているからです。スポンサーにはメーカーも多いですが、メーカーでは1円単位で原価低減に努め、事務所ではコピー用紙も節約しているはずです。それがテレビスポンサーとなると、番組の制作費の妥当性も検証せず、広告代理店の言い値で契約している感じがします。その結果、出演者の技能や評価に関係なく、テレビに出演するだけで高額の収入が得られるようになっているのです。これは社内の優秀な社員や頑張っている社員に失礼だと思います。こんなことをするのなら、ラグビー日本代表のスポンサーになり、選手の収入を増やして上げた方が有益です。
今回の事件では、報道されて暫くの間当該芸人が出演している番組が放送されるなど、事件を軽く見る放送界や芸能界の風潮が見られました。これは社会一般の認識とは大いに異なるものです。この風潮を是正するには、番組提供のスポンサーが契約を解除するなど厳しい対応を採ることが必要です。
テレビはどんどん低俗化し、見ても価値を生まなくなっています。今後テレビを長く見る人たちは、下級国民化すると言ってもよいと思います。もうテレビを見るよりネットを見る時代であることから、企業はテレビスポンサー料を精査し、若手芸人まで過剰な収入が得られる状態は無くす必要があります。