NHKが貯め込んだ現金・有価証券4,800億円は台風被災者の支援に

10月12日の台風19号で長野や栃木、茨城、宮城などで多大な被害が出ています。農水産物の被害はどんどん拡大中で10月23日の朝日新聞では約1,700億円となっています。これ以外に堤防の決壊や上下水道施設の水没、家屋の浸水などの夜被害があり、総額1兆円近い被害額になると予想されます。堤防や上下水道施設の再建費用は国や地方公共団体が拠出しますので、何とかなると思われます。問題は農業被害や家屋の被害の内保険でカバーされない被害です。農業の場合、長野のリンゴのように今年の収入が0になったところもあります。こうなると来年の収穫期まで収入が無い訳で、生活が困難になる農家もあると思われます。また家屋が浸水し、生活備品や用具が使えなくなって、生活再建に困っている方も多いと思われます。

このような被災者が多数の場合における国の制度としては、被災者生活再建支援制度があります。これでは、家屋の全壊、半壊および長期避難を要する損傷の3つのケースに応じ、基礎支援金(3つのケースとも100万円)と加算支援金(全壊は200万円、半壊は100万円、長期避難は家賃50万円)が支払われます。民間の火災保険に加入し建物と家財を保険の対象としていれば、台風や水害による被害も補償される内容になっていることが多いようです。この場合、建物だと新規に再建する価格を補償額としていればその補償額が支払われますし、契約時の評価額を補償額にしていればその評価額が支払われます。家財道具は契約時の契約額が支払われるようです。

民間の十分な補償が得られる火災保険に加入していなかった人は、十分な貯蓄がなければ、生活再建が出来ないこととなります。

私は、こういう場合に備えて、国民自然災害共済制度を創設すべきと考えます。日本は地震や台風、豪雨など自然災害が多く、誰がいつ被害者になってもおかしくない状況です。従って、所得がある国民全員が毎月掛金を拠出して共済基金とし、自然災害の被害者の生活再建資金に充てます。健康保険の自然災害版と言えます。拠出金は月300円程度とします。これで年間3,000億円程度の共済基金となるはずです。掛金については、NHK受信料を減額して家計の負担が増えないようにします。NHKはもう不要な制度になっていますから、そう遠くない時期に受信料は月300円くらいになると思われます。それと同時に、NHKが家計より吸い上げて貯め込んでいる現金・有価証券約4,800億円(2019年3月末決算書に基づく)は、10月12日の台風で被害を受けた被災者の生活支援費用に充てるべきだと思います。それは受信料を支払った家計の意志に適います。