45歳雇用制と考えて準備をしよう

東京商工リサーチによれば、2019年にリストラを実施した上場企業は36社となり、その人数は1万1,351人と6年ぶりに1万人を超えたと言います。その中ではやはり業績不振によるリストラが多いのですが、注目すべきは、業績が好調にも関わらず、早期・希望退職を募った上場企業がリストラ実施企業のうち3割程度あるということです。
これは、企業の将来計画を考えると今の社員は抱えきれないという判断に基づいていると考えれます。確かに、日本だけを考えると人口の大幅減少が確実ですから、それに応じた社員数に減らすしかありません。この場合これまでは退職者の不補充で調整されてきました。しかしこれが早期退職募集のリストラに踏み切ったということは、それでは間に合わないという判断だと思われます。

その早期退職募集の年齢は、45歳とされるケースが多いようです。これは会社員なら理解できます。45歳を過ぎると伸び代が無く、今後会社への貢献が減少すると思われる人が多いのです。新入社員で入社するとほぼ30歳までには戦力化します。そして30歳から45歳までが会社に最も貢献できる年代です。そして45歳を過ぎると会社の幹部になる人とならない人が明確になり、ならない人は明らかに意欲が減退します。体力は目だって衰えないと思いますが、これ以上頑張っても昇進できないことによる意欲の衰えは顕著です。会社はこれまでもこういう人を配置するポジションに苦心していました。この場合欧米なら躊躇なく解雇でしょうが、日本の場合、終身雇用制という家族的経営が行われ、こういう人にも職場が用意され、高い年功賃金が支給されてきました。その結果、窓際族や働かないおじさんという言葉を生むこととなりました。窓際に席のある名ばかり管理職は相当減りましたが、管理職は外れても年功賃金が高い所謂働かないおじさんは維持されてきました。それは会社にまだそれだけの賃金を支払う余裕があったからです。しかし、最近はその余裕が無くなったことと、今はあっても将来を見渡すと無くなることが確実に予測されるため、この部分に手を付けてきたのだと思われます。それに安倍内閣が実施した働き方改革による同一労働同一賃金も仕事と賃金の関係をシビアに評価するきっかけになったと思われます。さらに70歳までの雇用確保義務化の動きがこれを加速しています。

この動きは、これまで定年まで働くことを前提にして組み立ててきたサラリーマンの人生設計の変更を迫ることとなります。先ず子育ては45歳までに終えるようにしなければなりません。或いは、45歳までに子供の教育費を確保しておく必要があります。また住宅を取得するのなら、45歳までにローンを完済するような計画を組む必要性が出てきます。こうなると会社としてもこれまで定年までに支給していた賃金総額を45歳までに支給する形に変更する必要があると思います。これまで65歳までに2億円の賃金を支給していたとすると、これを45歳までに支給する形に変えます。そうすればお金の面では、社員も対応の仕方はあります。そして45歳以降は、その会社か別の会社で、その人の能力に応じた賃金が支給されることになります。ある意味第二の人生です。こうなるとここで働くことを止め、残りの人生は自分の好きなことをして過ごすと言う人が増えてきます。私はこの年齢を50歳と考えて来ましたが、どうも45歳になりそうです。

これから大学などを卒業して就職する学生さんは、このことを十分考えて準備する必要がります。