PCR検査を制限して権益拡大を目論む医師会

4月27日、新型コロナウイルスによる院内感染を防ぐため、厚生労働省は、症状がない患者へのPCR検査にも公的医療保険を適用する方針を決めたとの報道です。これは費用の面でPCR検査を受けやすくすることを意味します

「発症前から人に感染させる可能性があるとわかってきたことが背景にあり、医療現場から要望が相次いでいたことが理由」となっています。しかしこれは詭弁です。これまで医師会は病院および開業医に対して、PCR検査を保健所に相談する基準として次のような指示を文書で出していたようです。

<37・5度↑>/<SPO2<93%>/<肺炎像+>

これはどういうことかと言うと、(1)37・5度以上の発熱があり、かつ(2)SpO2が93%以下の者で、(3)胸部X線検査で肺炎の像が認められる者、に限ってPCR検査を保健所に相談させて良い、という意味です。SpO2とは動脈血酸素飽和度のことで、血中に取り込まれた酸素が赤血球と結合している割合のことだそうです。98%が正常値で、これが93%というのはゼーゼーハーハー言って死にそうなくらい苦しい状態だそうです。つまり、これまでの基準ではかなり危険な状態まで症状が悪化しないと、PCR検査を保健所に相談できなかったことになります。

「3条件すべてを満たさないと検査を受けられないならほとんどの人は対象外で、条件を満たす頃には『手遅れ』の恐れもある。」とある内科医は言っています。

これまでは、この「ゼーゼーハーハー言って死にそうなくらい苦しい状態」になって初めてコロナ発症と判断していたことになります。医師会は、この状態にならない限り感染しないと考えていたことになります。まったく馬鹿げた態度です。感染症の身近な例であるインフルエンザを見れば、軽い症状の患者からも感染することは常識です。だから感染症の対策としては、感染者を片っ端から見つけ出し、隔離することしかないことは世界の常識です。事実お隣韓国ではこれを忠実に実施して感染を抑え込みました。この例は早くから知られており、世界の手本になっていましたから、日本医師会も良く知っていたはずです。それなのに、手遅れになる寸前までPCR検査の相談を保健所にできない基準を病院、開業医に指示していたのです。

ここに日本でコロナ感染がここまで拡散した真の原因があります。医療現場では院内感染が拡大し、医療崩壊に瀕していると言われていますが、これを作り出した主犯は医師会だったのです。PCR検査を抑制すれば市中感染者が増加し病院に診断に訪れる人が増える→感染者と分かっていないから、医療従事者の注意が不十分になる→その結果医療従事者が感染する→感染した医療従事者から院内感染が起きる→医療崩壊に繋がる、という順路です。

今回の検査対象拡大は、これに気付いた医師会がPCR検査基準の引き下げに動いたということです。厚生労働者の医系技官は、医師会の承諾なしには政策を決められません。

今回の方針変更によってもPCR検査を保健所に相談できるのは医師が必要と判断した症状者だけです。これだとまた相当な絞り込みが行われる可能性大です。その結果、自分では体に異常を感じPCR検査を受けたいのだが、医師が保健所と相談させてくれないケースが続出すると思われます。特にPCR検査体制の整備が追い付かない状況では、これまでとあまり変わらない運用がなされると思われます。その結果、体に異常を感じながら病院に行かない人が増えることになり、感染者が市中に留まることになります。

結局コロナ感染を収束させるポイントは、病院に来ない感染者をどうやって探し出し、隔離するかということになります。そういう人にPCR検査を受けさせなければならないのだから、病院に来たPCR検査希望者は全員検査を受けさせる方針が必要です。そしてそのために医師会は専門外来の設置やPCR検査センターの拡大に協力する姿勢が必要です。

医師会は楽天が売り出した簡易PCR検査キットに精度が低いとか、検体の採取に問題があるとクレームを付けていますが、これにはPCR検査業務(入口)を独占し、自分らの権益を守ると言う姿勢が見えます。同時にコロナ感染拡大を奇禍として、医師会の影響力を拡大しようとしているように見えます。

今回のコロナ対応で、医療面でも韓国が日本より進んでいることが判明しました。今後日本人の韓国医療ツアーが増加すると思われます。医師会は日本の医療に対する信頼を失墜させています。