「#検察庁法改正案に抗議します」は直接民主主義の先駆け?
先々週から国民の関心を集めていた検察庁法改正案は、急転直下先週月曜日(18日)に審議取り下げとなりました。これは先週末から始まった芸能人や文化人を中心とした「#検察庁法改正案に抗議します」のツイータが500万件を超えたためと思われていましたが、実は安倍政権が検察庁法を改正してまで検事総長にしようとしていた黒川東京高検検事長の賭けマージャンが雑誌に載ることが明らかになったためのようです。しかしこのツイートも要因の1つであることは間違いありません。
このツイートはツイートデモとも言われ、これから国民が政治的意思を表明する有力な手段となりそうです。街中でのデモなら顔を晒すことになるので躊躇しますが、ツイートデモならそういうことはなく、誰でも参加できます。これでこれまで選挙の投票に行かず政治的意思を表明することがなかった若者の政治参加が増えると考えられます。
これは、実は「NHKから国民を守る党」(N国党)の立花孝代表が唱えている公約の1つでもあります。N国党の最大公約はNHKのスクランブル放送化ですが、もう一つネット投票で議案への賛否を決めることも公約に掲げています。ユーチューブなどネットを利用して支持を増やしてきた立花代表らしい目の付け所です。立花代表の行動や発言は過激な所がありますが、目の付け所は大変すばらしいと言えます。先ずNHK受信料には約18%、約900万世帯の不払い世帯があることに目を付け、N国党を立ち上げた所です。これは有権者数で言えば約1,350万人(900万世帯×1.5人)になりますので、選挙ではこれだけの得票が期待できます。これに加え支払っているけれど不満を持っている人が同じくらいいるのです。昨年6月の参議院選挙の得票数が約152万票(選挙区)ですから、まだまだ獲得できることになります。即ち、得票基盤としては大変有望な所にポジションを取っていることになります。
更に注目すべき点は、NHKのスクランブル化は、NHK受信料のモデルとなっている英国BBCでも問題となり、保守党が昨年12月の総選挙で同じく受信料を廃止しスクランブル化することを公約に掲げています。即ち、英国保守党が立花代表の主張の妥当性を認めたことになります。
そしてネットによる直接民主主義の実現です。これは今回の「#検察庁法改正案に反対します。」の広がりで、十分威力があることが分かりました。これにより若者を中心に「ネット民主党」などの新政党が生まれることが予想されます。
現在国会に公務員の65歳定年延長法案提出されて衆議院を通過していることから分かるように、現在の国会議員は高齢者が殆どであり、老人にメリットがある法案ばかリ成立しています。このまま行けば若者の就職の場が狭まるなど若者が生きて行く環境は益々厳しいものとなります。ツイートデモは、若者主体の政治を作る有力な手段であり、直接民主主義の先駆けと言えます。