東大卒の教師なら初任給600万円で良い
子供の数が減ってきたことから、これからは今までよりも子供の才能を伸ばしてやることが大切になります。それには子どもの才能を早い段階で発見することが大切であり、小学校の教諭には教える能力と同時に子供の才能を発見する能力が求められてくると思われます。
そして中学校からは才能別の進路をとることが望まれます。現在でも東京や大阪などの都会では、中学受験が盛んであり、才能別進路になって来ています。中学受験と言うと進学のためという色彩が強いですが、大阪桐蔭中高校や四天王寺中高校、青森山田中高校などはスポーツや芸術コースもあり、小学校で才能が顕著な子供を受け入れています。これらの中高校を見れば分かるように、才能を伸ばすには私立の中高一貫校が効果的です。従ってこれからは地方都市でも私立の中高一貫校が増えると思われます。その結果、地方都市では進学なら県立トップ校という慣行が崩れ、東京のように私立中高一貫校に進む生徒が増えると思われます。これに対抗するために県立高校でも進学やスポーツ、芸術などに特化した中高一貫校を作る動きになると思われます。
こうなると優秀な教師を集めることが重要となります。公立中高の場合、教師は教育委員会に採用された公務員であり、平等な待遇が特色です。しかし進学教育となると、東大や京大、早大、慶大卒業者とその他の卒業者では学力に大きな差があることは事実であり、その学力を素直に評価すれば、採用条件に差を付けるのは当然だと思われます。夫々の大学卒業者は自分が進学した大学に合格する勉強ノウハウは確実に持っています。従って、生徒としても自分の進学希望大学卒の教師に習いたいし、信頼して学べると思われます。
しかし、現在公立の中高で例えば東大卒や京大卒の教師がどれくらいいるでしょうか?いないか、数名だと思います。これで東大や京大進学者を多数輩出しているとすれば、教師の能力と言うよりは生徒の能力および頑張りが原因ということになります。
東大や京大卒業者が教師となれば、東大および京大への進学者を確実に増やせる実力があります。従って東大および京大卒業者にとって教師は失敗することが少ない職業と言えます。会社員になれば成功するのは全体の2割で、多くが早大や慶大卒業者に使われることになります。会社員になるには3教科入試で十分であり、3教科なら早大、慶大合格者(ただし一般入試合格者)は東大、京大合格者と変わらないかそれ以上の学力です。しかし早大、慶大卒業者の方が社会経験(雑経験)が豊富であり、コミュニケーション能力があるため、多数の社員や取引先との協力が必要な会社においては、早大や慶大卒業者が優れており、出世することになります。だから東大や京大卒業者の多くは会社員になるのではなく、研究者や官僚、弁護士や公認会計士などの職業に就いた方が良いと思われます。そしてそれらも自信がない人は進学に特化した中高一貫校の教師になるのが良いと思われます。その実績に生徒もついてきますし、自分でも母校に合格させる自信はあるはずです。
その場合、採用する学校としては、卒業大学を評価して初任給を決めるべきだと思います。例えば東大卒なら初任給600万円、京大卒なら初任給550万円とします。これなら公認会計士の初任給と同レベルであり、評価していると言うメッセージが込められた金額です。これでこれまで採れなかった東大や京大卒の教師が採れるようになるはずです。しかし採用後は実力主義の給与体系になります。実力があれば35歳で1,000万円、40歳で2,000万円が可能ですし、実力がなければその他の出身大学の教員に追い抜かれることになります。多分違いを出せる人が多いはずです。これにより教員のレベルが各段に上昇し、教員の仕事が収入的にも魅力的なものになるはずです。これからの教育にはこうした政策が必要です。