テレビをよく見る家庭の子供は下層階級へまっしぐら

テレビの劣化が止まりません。私は1日に夜2時間程度しかテレビを見ません(点けません)が、その間に他局をチェックしても同じ芸人が出演している同じような番組ばかりです。バラエティが主であり役に立つ内容は皆無です。ドラマなども昔と比べて造り込みが浅いものが多いと思います。それに役者の技能も落ちているように思われます。

以前は昼間ワイドショーも見ていましたが、これもネットで見た記事を長い時間に引き延ばした内容であり、芸人や役者のコメンテーターが好き放題喋っている感じです。そういうわけでいつの間にか昼間のワイドショーは全く見なくなりました。

NHKの大河ドラマ「麒麟が行く」は好評だったようですが、私は最後の方の2回を録画に上早送りで見た以外殆ど見ていません。それは、私はこのブログのヘッダー部に「明智光秀・徳川家康・春日局を繋ぐ点と線」という「麒麟が行く」の詳細版とも言えるものを書いており、「麒麟が行く」の内容は大体予想できるからです。また大河ドラマは会話で成り立っており、会話はほぼ嘘(史実ではない)なので、嘘の物語を見ても仕方ないと思ってのことでした。最後の本能寺の変の部分だけは、私が考える本能寺の変の原因が採用されていると期待して見ましたが、見事に裏切られました。信長が光秀に将軍(元?)足利義昭を殺せと命令したことが本能寺の変の原因とされており、やはり大河ドラマはドラマであり、歴史検証番組ではないということを認識させられました。もう一生NHK大河ドラマを見ることはないと思います。

私がテレビ番組の中でいいなと思うのは「ブラタモリ」です。これはかなり勉強になります。以前は石なんかには興味がなかったのにブラタモリを見て石の種類をいくつか覚えました。また自然の風景を見て、その風景がどのようにしてでき方かも想像できるようになりました。阿蘇についての回ではカルデラのでき方や火山活動の影響が学校で習ったときよりも良く理解できました。ブラタモリには地質の研究者が登場しますが、以前はタモリを驚かそうととっておきの知見を披露するタイミングを見計らっていましたが、悉くタモリに言い当てられ、最近はタモリから引き出そうとしているように思われます。今年の1月に放送された天の橋立に関する回の映像が2月の大学入学共通テストの地学に出たということで話題になりましたが、大学入試に出て来るだけの知見が詰まっている番組だと思われます。だから親が子供と一緒に見るべき番組だと思われます。

もう1つブラタモリに興味を持っていることは、タモリが文理融合人材のモデルのように思えるからです。タモリは早大第二文学部出身であり、テレビもお笑いの分野に属することから、文系人間のように思えますが、ブラタモリを見ると理系人間のように見えます。純粋の文系人間が石などに興味を持てるはずもなく、なぜだろうとタモリの経歴をネットで調べて見ました。そしたらタモリは高校時代無線に熱中し、大学は電気通信大を受験したことが分かりました。そもそもタモリは理系人材だったのです。理系人材がお笑いの分野で成功することは珍しいと思いますが、ブラタモリの活躍は納得です。タモリを見るとやはり文系に進むとしても理系の基盤はあった方がいいなとつくづく思います。

少し横道にそれましたが、私がテレビを見て役に立つと思える番組はブラタモリ1つです。経済番組もありふれた内容であり、知識の付け回しに過ぎません。テレビを見るよりネット記事を読んだ方が良いと思います。テレビはネット記事を読めば3分のところを30分に引き延ばしており、内容が冗長になっています。いわば時間つぶしのための構成です。なので、同じ時間を使うのならネットを閲覧した方がはるかに有益です。私は1日の大部分をパソコンの前で過ごし、ネットは1日に4時間くらい見ています。これが習慣になると、若い頃テレビを何時間も見ていたことがもったいなかったと思えてきます。

現在東京では小学6年生の4割が私立中学校を受験し、2割が私立中学校に進学していると言われています。今では23区内の都立高校で進学校と言えるのは日比谷高校くらいで、私立中高一貫校に凌駕されています。当たり前で難関私立中高一貫校に合格するためには小学3年くらいから受験塾に通い、テレビを見る時間などありません。また彼らが今のテレビの番組を見ても役に立つと思える番組は殆どないと思います。テレビをよく見る家庭の子供は、将来下層階級行きは間違いないと思います。