福岡県知事、福岡ではどうでもいい存在?
福岡県の小川知事が病気で辞職し、4月には知事選挙が行われるようです。候補としては、県議会議員の多くが押す現副知事と国会議員の多くが押す元国土交通省局長が名乗り出ていたようですが、3月8日自民党の二階幹事長の要請で元国土交通省局長は出馬しないこととなったようです。これでは福岡は自民党の一党独裁県になってしまいますので、是非もう1人候補者が出て欲しいものです。このように名乗り出る候補者が少ないことからも福岡県知事の存在の軽さが分かります
小川知事は約3期10年知事を務めましたが、この間の小川知事の功績として挙げられるものが何かあるでしょうか。私は何も浮かびません。ただ前例に従い県の業務を粛々と遂行しただけのように思われます。これは行政事務のトップとしては優秀かも知れませんが、行政政策のトップとしては失格だと思います。小川知事3期目の選挙の際、麻生財務大臣と麻生渡元知事が小川知事は福岡を発展させる政策を何もしていないとして対立候補を立てましたが、指摘はその通りだと思います。例えば麻生元知事はトヨタやダイハツを誘致しています。これらの誘致に麻生元知事の力がどれだけあったか分かりませんが、少なくも麻生元知事時代に実現しており、麻生元知事の功績にしてよいと思われます。この真っ当な指摘も、麻生財務大臣が福岡県民から嫌われていたため、知事交代にはなりませんでした。
小川知事を表現すると、「動かざること山の如し」と言えると思います。あの武田信玄の風林火山の一節です。それくらい福岡を良くするための新しいアクションはなかったと思います。全国的に見れば、東京都の小池知事や大阪府の吉村知事など行動派の知事が目立つ中で、小川知事は静そのものでした。九州でも熊本県の蒲島知事が地震からの創造的復興を掲げ、県内の空港や道路などのインフラをスケールアップしようとしていることと比べても、無策さが目立ちました。こんな中で福岡市は天神ビッグバンを掲げ、市中心部の再開発を進め、全国でも元気な街と注目を浴びています。東北の雄仙台市からは唯一のライバル(目標)とまで言われています。もし福岡県知事が魅力的な職務ならば高島福岡市長の鞍替え出馬も考えられるのでしょうが、そんな動きは全くありません。福岡県は福岡市と北九州市という2つの政令指定都市で県の人口の約半分(250万人/510万人)を占めますので、将来4市(その他に飯塚市、久留米市を中心とした中核都市)があれば、福岡県は不要になると思われます。少なくとも大阪府と大阪市のように大阪市の権限を大阪府に差し出すというようなことは絶対に有得ません。
とは言っても、そのような事態(道州制の導入)にはまだ時間がかかるでしょうから、それまでは福岡県が存在し、その結果福岡県知事も存在することになります。誰が次の知事になるにしても、「動かざること山の如し」のような県政の承継はあり得ないと思います。それなら県職員の中から人事評価でトップに就いた職員が県の行政を行えばよく、何も選挙で知事を選ぶ必要はありません(今回このケースになる可能性がありますが)。知事には福岡県を発展させるビジョンを持った人が必要です。