偏差値50以下の首相では日本の再建は不可能

日本のコロナワクチン接種で混乱が続いています。これから65歳以上の一般人への接種が始まりますが、我先に接種を受けたい人の予約が殺到し、予約受付電話が繋がらない状況です。現在9都道県に緊急事態宣言が発令され、10県が重点措置の対象に指定されており、いつコロナに感染してもおかしくない状況なので、みんな生き残りに必死です。中には医療関係者向けのワクチンをこっそり接種した首長や名士も現れ、これまでの評判を失墜する結果を招いています。やっぱり人間危機に瀕したときに人品が現れます。

日本のワクチン接種率は3.9%で、世界で110位との報道です。日本の製薬会社がワクチンを開発できなかったから仕方ないと思っていましたが、ワクチンを開発できていない多くの国が日本以上の接種率にあるのですから、これは言い訳にはなりません。やはりワクチンを確保できない国の指導者や官僚組織に問題がありそうです。

日本の場合、菅首相の能力に一番問題があることがはっきりしてきました。記者会見での説明で分かるように、未知の出来事に対処する能力が決定的に欠けています。いわゆる仮説検証能力が全くありません。もちろん菅首相は医療関係者ではなく、コロナウイルスに対する知識が乏しいのは当然です。しかし高学力者は未知の問題でも専門家の説明を聞けば問題の全容を把握し、最適な対処方針を決められます。菅首相は未経験の問題に直面して頭がフリーズしているように見えます。それもまだ厚生労働大臣に官僚を動かせる有能な人を任命すればよかったのですが、田村憲久衆議院議員という厚生行政の知識はあるけれど、官僚を動かす力は全くない人を任命しました。菅首相も田村議員がここまで官僚を動かせないということは知らなかったのでしょうが、ならば菅首相お得意の更迭をすれば国民は安心したのですが、ワクチン接種担当を馬力のある河野行革担当大臣に兼任させただけで済ませています。その結果、コロナ対策は田村厚生労働大臣、西村経済財政担当大臣および河野大臣に分かれ、「船頭多くして船山に上がる」の状態です。この状態に菅首相の能力が良く表れています。

前任の安倍首相が7年8カ月と言う首相在任期間の新記録を作りましたが、安倍首相も学力に問題がありました。安倍首相が第1回目の首相に就任したときのスローガンが「美しい日本」でした。何のことやらさっぱり分かりません。また演説が抽象的であり、ロシアのウラジオストクでの演説はネットでポエムと揶揄されました。演説を書いた官僚が悪いとも言えますが、官僚は安倍首相の好みに合わせて書いており、演説の抽象性は安倍首相の頭の中の表現と言えます。一般に大学入試などは具体的に考える力が問われており、具体的に考えられない人は難関大学には合格できません。難関大学に合格できなくてもその後の人生で成功している人は多いのですが、一国の首相には難関大学に合格できるだけの学力が必要です。それは対処する問題が未経験のことが多く、仮説検証能力が必要だからです。高学力者と低学力者の違いはここに最も大きく表れます。結局安倍首相はコロナという未知の現象に対処できず、健康を害し退任しました。それを継いだのが菅首相ですが、官房長官時代は新聞紙上「安倍政権は菅官房長官で持っている」とか「切れ者」「仕事士」などと書かれていましたが、テレビでの記者会見などを見る限り、そんな印象は全く感じられませんでした。それでも抽象的なことしか考えられない安倍首相から経験主義者の菅首相に変わっただけでも日本は良くなると期待しましたが、全く期待外れです。少なくとも自ら唱えた「携帯料金4割値下げ」や「NHK改革論者」の評判は実現してくれると思っていましたが、鳴かず飛ばずです(携帯料金の今期の値下げは1%程度に留まるし、NHK受信料の値下げもなし)。

これから分かったことは、偏差値50以下の人を日本の首相にしてはいけないということです。安倍首相の7年8カ月で日本は経済面で韓国に抜き去られています。そしてコロナ対策では韓国に圧倒的差を見せられています。自民党における安倍首相や菅首相の選任は、学級委員長選びのようでした。人気者や無難な人が選ばれます。こんな選び方をしていたらコロナ対処で後進国と揶揄され、経済面でも先進国とは言えなくなった日本の再建は不可能です。やはり日本の首相にはあるレベル以上の学力が必要です。