新聞・テレビの自民党応援キャンペーンが始まった

8月20日ヤフーニュースを見ていたら一番上の見出し欄の4番目に「0.12% 数字が語る日本のコロナ」というヘッドラインがありました。見たことがない数字だなと思い、記事をクリックしました。記事はFNNプライムラインというクレジットでフジテレビの政治部の記者が書いたものでした。内容は、8月17日に菅首相が記者会見してワクチン接種の一本柱政策から医療体制の構築、感染防止を加えた3本柱政策に転換したことを受けてのものでした。この内ワクチン接種については、アメリカ 51.45%、イギリス 60.90%、フランス 52.97%、イタリア 57.39% 、ドイツ 57.53%、 カナダ 64.47% 、日本 37.87%(G7,8月18日時点)と日本は最低の水準であり、1日100万人の接種を続けても2カ月しないと追いつかないと言う内容です。

そして新規感染者については、 アメリカ 290.25人 、イギリス 306.44人 、フランス 246.75人 イタリア 71.84人、 ドイツ 39.23人 、カナダ 38.31人 、日本 92.22人(人口10万人当たり)という数字を上げ、G7の各国も日本と同じような状況だと言う内容です。

そして最後に新規感染者数に占める新規死亡者数を取り上あげ、アメリカ 0.49% 、イギリス 0.32%、フランス 0.33%、 イタリア 0.55%、ドイツ 0.29% 、カナダ 0.25%、 日本 0.12%(直近1週間)という数字だから、日本は低い水準に抑えられていると言い、更にG20から、ロシア 3.77% 、インド 1.35%、 韓国0.35% 、インドネシア 5.41%、トルコ 0.72%という数字を上げ、日本が如何に低いかを際立たせようとしています。そして結論として、『この「0.12%」という数字が示す日本の新型コロナ対策の効果を客観的に検証し、さらに効果的な対策の足掛かりにしていくことも重要であろう。未知のウイルスとの長きにわたる闘いの中で、一人でも多くの尊い命を救っていくためにも、冷静で客観的なアプローチがいまほど求められている時はない。』と結んでいます。

これは政府のコロナ政策を評価し、政府を応援する記事であることが分かります。新規感染者当たりの死亡者数を引っ張り出し、政府の政策は悪くない、世界的にも優秀であると言う主張です。菅内閣が入院制限に踏み出し、自宅感染者が救急車を呼んでも入院する病院がないことが多発している状況や在宅療養中に死亡する人が続出している状況、更には感染した妊婦が早産となり受け入れ先がなく新生児が死亡したことで政府への風当たりが強くなっている事態を受け、政府応援の記事を書いたものと思われます。ここのテレビ局は安倍元首相の甥や中川元外相の娘などが入社していることで分かる通り、自民党と近いことで知られています。選挙も近いことから、政府応援記事となったようです。これで政府や自民都幹部から感謝され、また情報を貰えるようになるという訳です。このように新聞・テレビの政治部記者は政府自民党の世論誘導担当というのが実態です。

この露骨な政府応援記事には驚きましたが、コメントを見て又驚きました。

「この様な数値を初めて目にしました。普段のニュースやワイドショーは新規感染者数と悲惨な患者の情緒刺激シーンばかりで正義の味方テレビが無様な政府を切って捨てる的なワンマン報道にウンザリでした。」
「この様な数値と事実に基づいた冷静な報道が欲しかったです。世界との比較と言う相対的な視点も望んでいたものです。これからもこれら数値を時系列で追って行って下さい。」

「最後にある冷静で客観的なアプローチ。 これが今の日本に欠けているものです。 世界各国との客観的なデータの比較によってのみ日本の医療体制の実情が把握できます。 批判は誰でもが簡単に出来ます。 野党やマスコミの尻馬に乗っての批判なら頭は使いません。 改めて0.12%。新規感染者数に対する致死率は驚きです。日本の医療は世界のどこにも負けていません。」

「以前から言ってるけど、世界中の中でも本当にトップクラスに死亡率が低く抑えられているのに、マスコミの恣意的報道、印象操作によって多くの国民が日本はとんでもなくひどいことになっていると思いこんでしまっている。そしてマスコミはなんでもかんでも政権批判に繋げる。」

まるでアマゾンのやらせレビューを見ているようです。事前に打ち合わせた連携コメントのようにも思えます。

総選挙が近づき、自民党が大敗する雰囲気になると、新聞やテレビはこのような政府や自民党を応援する記事を掲載し始めます。8月21日のヤフーニュースにも「石破衆議院議員は菅首相再選支持」「小泉環境大臣は菅首相支持」「次の自民党総裁にふさわしいのは誰?」というニュースが出ています。これも自民党をアピールする新聞の仕掛けであり、自民党応援記事です。9月になれば自民党総裁選を大々的に報道し、やはり自民党しかないという方向に世論を誘導してきます。新聞購読料は消費税8%という軽減措置を受けており、テレビ電波は格安な使用料に抑えられていることから、新聞社やテレビにとって自民党は神様みたいな存在です。だから選挙で負けるのは困るのです。有権者はこのような新聞・テレビと自民党の関係を理解して自民党に関する報道は無視するのが賢明です。そして新聞は購読を止め、テレビは見ないのが一番です。