コロナ入院受入れ病院の破綻は馬鹿な菅政権の悲劇

大阪市福島区の医療法人友愛会が8月26日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請したという報道です。 友愛会は福島区内で地域中核病院となっていた松本病院を経営しており、2021年1月からは大阪府から強い要請を受け一部の病床を軽症・中等症対応としていたということです。経営破綻の直接の原因は、2020年12月に病棟看護職員・入院患者・職員が新型コロナウイルスに集団感染したことやコロナ入院患者を受け入れたことにより、外来患者数が減少したことにあるようです。 2020年3月期は売上約27億5,300万円、経常利益約1億6,700万円を計上していたということですので、コロナが無ければこういうことにはならなかったと考えられます。

このニュースに接して、菅政権の無能さを改めて認識させられました。現在コロナ感染者が急増し、入院が必要でも入院できない状況です。原因はコロナ患者の入院を受け入れる病院の不足にあります。日本には160万床の入院ベッドあると言われており、人口1,000人当たりで見ると先進国でトップ(13.0床)にあります。しかし日本ではコロナは指定感染症の2類に指定され、保健所が対応に当たることになっています。これにより同じく感染症であるインフルエンザ(5類)と違って感染者には国の強制力が働くこととなります。このため2類感染症に罹ったら原則保健所が指示する病院に入院することになっていますが、患者の増加により入院を受け入れる病院の病床が足りず宿泊や自宅療養でも良いとされています。日本ではこれまで2類までに相当するような感染症の流行はなく、入院病床は公立病院で確保すれば足りるとされてきました。そのため2類感染症であるコロナ患者の入院は公立病院であり、民間病院は管轄外と考えられてきました。このため日本医師会はコロナ患者の受け入れに消極的で、一部の民間大病院が自主的にコロナ患者の入院を受け入れてきました。

民間病院がコロナ患者の受け入れに消極的なのは、治療ノウハウがないということもありますが、一番の原因は入院受入れによって院内感染が発生し、休業や閉鎖、ひいては経営破綻に至ることです。これは誰が考えても理解できることです。従って政府が民間病院にコロナ患者の受入れを求めるのならば、これに伴う不利益は全て保障するとの約束が必要でした。即ち、資金支援であり、コロナ患者の入院を受け入れた病院は絶対に潰さないと言う約束です。コロナ患者を受け入れた時点で準公立病院になるのですから、当然の措置です。

松本病院が経営破綻した最大の原因はこのセーフティネットが無かったことであり、菅政権の怠慢以外のなにものでもありません。

8月28日の報道によると、田村厚生大臣は地域医療機能推進機構(JCHO)が運営する東京城東病院をコロナ専門病院にすると発表したようですが、これができるのはJCHOが運営する病院は倒産の危険がないからです。コロナ患者を受入れる民間病院にはJCHOを通じて資金支援を行う体制を作る必要があります。