自衛隊から災害派遣業務を除くべき

9月17日自民党総裁選の立候補が受け付けられ、岸田文雄議員(岸田氏)、河野太郎議員(河野氏)、高市早苗議員(高市氏)および野田聖子議員(野田氏)の4名の争いとなりました。これからテレビなどで政策論争が行われるでしょうが、ポイントは経済政策と防衛政策の2点だと思われます。目下の最大の課題であるコロナ問題は、ワクチンや治療薬が解決のポイントであり、政治の役割は大きくありません。経済政策については、日本が採るべき政策は1つしかありません。それは輸出の増大によるGDP倍増政策です。これについてはブログで何度も述べていますので割愛します。

次の防衛政策ですが、これは割と重大な局面に達していると思われます。防衛体制の構築には長い時間が必要であり、外国から攻められてきたときでは遅いからです。現在日本が外国から攻められる状況はないかというとそんなことはありません。中国との尖閣領有問題がありますし、韓国とは従軍慰安婦や徴用工問題があります。それに北海道の隣の島にはロシア軍の基地がありますから、中国や韓国(北朝鮮)と紛争となればロシアも参戦すると考えておく必要があります。例えば韓国と武力衝突が起きれば、中国が尖閣諸島や沖縄に攻め込み、北からはロシアが北海道に攻め込むことなります。こう考えれば日本は中東のイスラエル状態だと言えます。それでも日本にイスラエルや英国並みの軍事力があれば問題ありません。軍事衝突となれば相手のダメージも大きいことから攻め込んできません。問題は日本の軍事力が大したことがないと思われていることです。それは8月に自衛隊がアフガンから約500人の関係者を輸送する作戦に失敗したことから、自衛隊は張子の虎と見做されるようになっているからです。同じ時期に作戦を実行した韓国軍は無事に約380人の輸送作戦を成功させており、北朝鮮と対峙する韓国軍と自衛隊との実力差が明らかになりました。韓国は軍事予算でも5兆3,000億円と日本並みであり、3万トン級空母や原子力潜水艦の建造計画を進めています。最近は潜水艦発射弾道ミサイルの実験にも成功し、配備を開始しています。これらは過去2回に渡り韓国を侵略した日本に向けられていることは明らかです。国民1人当たりGDPなどの経済指標で日本を抜き、軍事力でも上回る自信を持った韓国は、いずれ長年の恨みを晴らすために武力衝突を仕掛けてきます。そのときを待っていたかのように中国が尖閣奪取作戦を開始し、沖縄の独立を働き掛けてきます(沖縄は1879年に日本に併合されるまで琉球王国として中国従属の独立国家の体裁をとっていた。実質的には1609年に薩摩が侵攻し半属国化していた。)。それと同時にロシアが北海道に侵攻し、北海道の領有を図ります。この結果、沖縄は独立、九州は韓国領、北海道はロシヤ領に分割される可能性があります。そのとき日米安全保障条約を結ぶ米軍が日本を守るかですが、必ず守るとは言えないと思われます。これはアフガン撤兵など米国が海外から軍隊を引き揚げている最近の動向から来る予想です。常識的に考えても自分の国を守る意思がない国を他国が助けることは有得ません。だからこのまま行けばこの予想は将来現実のものとなります。従って防衛問題はとても重要です。

アフガン撤収作戦の失敗で海外から自衛隊は張り子の虎と見做されており、先ず自衛隊を実践的な部隊に格上げする必要があります。それにはイスラエル軍が目標となります。そのための第一歩として、軍隊としての誇りと訓練に集中してもらうために自衛隊から災害派遣業務を除くべきだと思われます(災害対応については、地方ブロックごとに消防庁管轄の自然災害即応部隊を設置します)。

自民党総裁選の中で河野氏は高市氏が言う敵基地攻撃能力の保有について、「おそらく昭和の時代の概念だ」「今、議論すべきなのは日米同盟でいかに抑止力を高めていくかだ」の述べ、日中関係に関しては「もちろん中国の一方的な現状変更の試みには国際社会としてしっかり対応しなければならない」「一つの側面だけでその国の関係は規定できるものではない。最善を望みながら、最悪の状況になったときにもきちんと備えることが必要だ。あまり短絡的な議論は避けるべきだ」と述べたという報道です。話に具体性がなく、米国が守ってくれると言う依存心だけのこの考え方こそ昭和の概念だと思います。また自分が居れば中国との関係は上手いくという傲慢な思い込みも感じられます。河野大臣は2020年6月陸上イージス計画を停止し、その後中止に追い込みましたが、代替手段は漂流を続けています。その結果ミサイル防衛計画に穴が開くことになっています。北朝鮮が弾道ミサイルの改良を繰り返し、韓国は潜水艦発射型ミサイルを配備し始めており、日本はこれらのミサイルに狙われています。こんな中で聞いた河野氏の上記言葉から、河野氏が陸上イージス計画を中止したのは中国またはロシアに頼まれたからではないという気がしてきました。スタンドプレイが多い河野氏ならやりかねません。