自民党総裁選はネットと新聞の天王山の戦い

現在自民党総裁選挙が行われていますが、ネットと新聞で情勢が大きく異なります。ネットでは高市氏一択という感じですが、新聞では河野氏優勢で岸田氏が続き、高市氏は3番手となっています。

私は新聞をとっておらず、新聞報道はネットの電子版(無料記事)を見ています。ニュースの最初の窓口はヤフーニュースであり、そこから新聞の電子版に進みます。ヤフーニュースで一番ためになるのは、ニュース記事に対するコメントの書き込みです。以前は罵詈雑言が多く、社会に対する不満者のはけ口的なところがありましたが、最近はまじめな鋭いコメントが多く、一通り読むと世論が分かったような気分になります。また専門家のコメントも多く、問題の本質が分かってきます。それに新聞が世論をある方向へ誘導している実態が見えてきます。新聞は総裁選でもこの特徴が顕著です。

先ず新聞の総裁選報道には、政治部記者と候補政治家との関係の濃淡が出ています。この記事を書いた政治記者は誰と親しいかすぐ分かります。そのため親しい政治家に有利になるような記事となっています。これが分かると新聞に失望してしまいます。

新聞はよく世論調査を行い、それに基づいて記事を書いていますが、この世論調査がおかしいため、おかしな記事になっています。新聞の世論調査はRDD方式と言われるコンピュータによる電話調査が多いため、サンプル数が少なく、かつ真摯な回答になっていないようです。突然かかってきた電話がコンピュータ音声だったら、普通の人ならすぐ切ります。答える人でもよく考えず知っている言葉を口に出しているだけです。だから調査結果は世論を反映したものにはなっていません。従ってそれに基づき記者が書いた記事は、読者が納得する内容になるはずがありません。

それに対してネットで実施したアンケートは、先ずその数が新聞の世論調査(せいぜい2000人)とけた違いです(数十万人)。これだけの回答があるとネットのアンケートは一定の社会の声ということができます。またネットのアンケートは自発的に回答されており、本音の集まりと言えます。どう考えてもネットのアンケート結果が民意を表しているように思われますが、これまで新聞の世論調査が正しいと扱われ、ネットのアンケート結果は極端な人たちの声と扱われてきました。

しかし最近これにも変化現れたようです。それを感じさせたのが今年の7月に行われた東京都議会議員選挙でした。投票前の新聞の世論調査では自民党に投票するというと言う人が多く、自民党は現在の25議席から50議席を回復するだろうと予想されていました。しかし結果は33議席に終わりました。この結果には新聞もショックを受けたようで、その後の横浜市長選挙では世論調査をあまり当てにしないようになったように思われます。また次の総選挙に関しても新聞の世論調査では自民党支持が35%程度あることから自民党圧勝と言う予想になりますが、新聞では50~70議席減少する、あるには100議席以上減少するとの予想も見受けられるようになってきました。これは新聞が世論調査の結果に自信を持てなくなったためと思われます。

一方ネットは自分たちの判断に自信満々です。それはネット民が良く調べて判断しているためです。思い付きで答える新聞の世論調査との大きな違いでもあります。

9月29日の自民党総裁選で、新聞が優位と報道する河野氏や岸田氏でなく、ネットが熱烈に支持する高市氏が勝ったら、ネットが新聞を負かした記念すべき日となります。その意味で自民党総裁選はネットと新聞の天王山の戦いです。