間もなく広島の被買収議員に起訴相当議決が下りる

河井克行元衆議院議員およびその妻案里元参議院議員が行った選挙買収事件で有名になった衆議院広島三区で又買収疑惑が持ち上がっています。今度は10月31日投開票の衆議院総選挙で行われたようです。報道によると、広島県内の運送業者で構成される「広島県トラック協会」が設立した任意団体「広ト協政策研究会」が、選挙期間中に広島市内で開かれた公明党公認で自民党推薦の斎藤哲夫候補(現職の国土交通大臣)の個人演説会に参加するよう会員に要請し、参加者に「旅費」名目で現金約5,000円を支払っていたということです。斎藤氏は買収で辞職した自民党の河井氏に代わって立候補しているのに、まさかの出来事と言えます。広ト協政策研究会は会の規約に従って支払ったものであり、選挙買収目出来ではないと言っていますが、選挙に絡んで現金を渡すことを禁止するのが公職選挙法の主旨であり、公職選挙違反が濃厚です。普通の地域ならこれくらい常識で分かりますから、先ず起こりません。広島はお金で票を買うことが常態化していることが伺えます。

今回この問題が生じたのは、今年7月6日に河井克行夫妻の買収事件でお金を貰ったと判明した100人を検察が全員不起訴にしたことが影響しています。それも地方議会議員などの公職者40名が含まれています。これで不起訴なら支援団体による買収が起訴されるわけがないことから、今回の事件に繋がっています。検察の暴挙の影響が出てきた感じです。

この報道を見て思い出しましたが、7月6日の不起訴処分については7月15日公職者40名に対する不起訴を不当として検察審査会に審査が申し立てられています。その他の人たちについても申し立てがあったかどうかは分かりませんが、公職者については当然のことです。というよりこの不起訴は検察の公訴権の濫用以外の何物でもありません。従って検察審会では起訴相当決議がなされることは確実と思われます。そしてそれは近々にもあると思われます。その結果検察はこの40名の公職者を罰金で略式起訴することになります。

公職選挙法の場合、罰金でも5年間選挙権・被選挙権停止となりますので、現職議員は失職することになります。実際に略式起訴され失職するのは来年3月になると思われます。

処罰されるのがずいぶん遅いようですが、これは検察がこれらの公職者の多くと取引し、買収の事実を認め裁判で証言すれば「悪いようにはしない」と約束していたために、回り道をしたためです。近々に出ると予想される検察審会の起訴相当決議は、検察が狙って取りに行ったものであり、検察が検察審査会を利用した極めて政治的なケースです。これをもって公職を失うことになる40名の議員は、検察は約束を守ったと考えるのか、それとも検察に騙されたと考えるか興味あるところです。