NHK受信料問題はもう完全に詰んでいる!

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が2021年12月に発売した「ネット動画専用スマートTV」を2月中旬に再販売するとの報道です。初回生産分6,000台を各店舗で販売したところ売り切れになる店舗が続出し、6,000台の追加発注をしたとのことです。

これはTVと言っていますが、実際はテレビチューナーがついていないため、テレビの定義には当て嵌まりません。そのためこれを持っていてもNHK受信契約を結ぶ必要がないのです。テレビが持ちながらNHK受信契約を結ばす受信料を払っていない人は全体の約20%、約900万世帯あるようです。この中には、民放は見ているけれどNHKは見ていないから払いたくないと言う人、生活が苦しく払えない人がいると思われます。この内ネットがあればテレビはいらない人はこのスマートTVを買えば、受信契約や受信料の催促から逃れられることになります。これが今回の売り切れと追加販売に繋がっていると思われます。

今年1月にはNHK受信料制度導入の手本となった英国で保守党政権の担当大臣がBBC受信料制度の見直しを表明しました。保守党は2019年12月の総選挙の際にBBC受信料の廃止を公約に掲げて、EU離脱問題で世論が伯仲していた選挙を圧勝していますので、これは何としても果たさなくてはならない公約となっています。担当大臣のツイッターによると、6年後にBBC受信料廃止に踏み切る可能性が高いと思われます(担当大臣は今回6年間のBBC受信料を発表した後、ツイッターで「今回の受信料発表が最後になる」と述べている)。これは保守党の公約であり、労働党政権となった場合、この公約が効力を持たなくなるとも考えられますが、EU離脱問題を一挙に解決したBBC受信料廃止の公約については労働党も同じ方針を採らざるを得ないと考えられます。従ってBBC受信料廃止はタイムテーブルに乗ったと言ってよいと思われます。

この報道は最初時事通信が報じましたが、その他の新聞およびテレビは一切報道していません。新聞社は傘下に民放を持っており、NHKを中心とした利権構造が出来上がっていることから、この事実は自らの不利益になるとして隠蔽を決め込んでいます。それでもネット社会の有難さで、この事実はネット拡散され、NHK受信料に不満を持つ多くの人が知るところとなっています。

2月5日の現代ビジネスには、「過去の遺物、NHK強制受信料制度の一掃をーーBBCで見直しすすむ」と言う標題で、国際投資アナリスト大原浩氏がNHK受信料を払わない人には電気やガス、水道と同じように放送を止めればよいのであり、強制徴収の時代は終わったと論じています。

2月10日のJCastNewsには、元大蔵官僚で菅政権の参与を務めた高橋秀一氏が「NHK受信料の現行制度が「時代遅れ」である理由」と言う標題の記事を載せています。高橋氏は以前NHKを公共放送と民間放送に分割すべきと論じており、最終的には民間放送部分はスクランブル化、公共放送部分は税金で賄うべきと言う考えです。

2月11日には前衆議院議員の丸山穂高氏がドン・キホーテのチューナレスTVの再販売に関連したツイートの中で、「見たい人だけが支払うスクランブル化か、若しくは民間的なドラマなどの非公共的な部分を分離した上で社会インフラとして完全税金運営に変えれば良い話だ」と述べています。

これらを見ると、もうNHK受信料廃止は大前提で、関心はNHKをどう再編するかに移っています。純粋な公共放送部分は税金で運営し、民間放送部分は分離してスクランブル化するというのが現実的かも知れません。このようにNHK受信料問題はもう完全に詰んでいます。