韓国は3年以内にG8入り
韓国では5月10日に保守系のユン大統領が誕生しました。これを待っていたように米国のバイデン大統領はアジア最初の訪問国に韓国を選びました。最近の日経の報道によると韓国企業は業績好調で、2021年度のサムスン電子従業員の平均年収は約1,440万円で、10カ月を超える賞与を支給する企業も珍しくないそうです。これでこれまで韓国が約40万円多いと言われていた日本人との年間給与所得差は、ウォンの円に対する値上がりもあり100万円くらいに開いたかも知れません。同時にこれまで購買力平価ベースでは日本を抜いたことになっている国民一人当たりGDPもドルベースでも抜いたと思われます。このように経済では明らかに韓国が日本を凌駕しており、その証拠に訪韓したバイデン大統領はサムスン電子の半導体工場を訪問するとともに、現代自動車の首脳とも会談しています。両社は米国で1兆円以上の投資を発表しており、韓国の経済力が米国の大統領も一目置く存在になっていることが分かります。この様子は1980年代の日本にそっくりであり、アジアの経済盟主が日本から韓国に替わった象徴的出来事とも言えます。
バイデン大統領が最初のアジア歴訪で最初に韓国を訪れたのは、経済的な結びつきが強くなっているのもありますが、それよりはロシアのウクライナ侵攻により韓国の重要性が高まっているためと思われます。ロシアのウクライナ侵攻後世界はロシア・中国連合と米国・NATO連合に分断されており、韓国はその境界線に存在する大変重要な国になっています。韓国は北緯38度線でロシア・中国陣営である北朝鮮と国境を接しており、米国としては何としても自らの陣営に留めたい国です。ムン前大統領は米中中立政策をとり、韓国は旗幟を鮮明にするよう求める米中から冷たくされました。ここで保守系のユン大統領が誕生したことを契機に米国は韓国を一挙に西側同盟国の一員に組み込む手を打ってくると考えられます。
そのために米国が次に採る手がG7に韓国を加えG8とすることです。G7は西側先進国のステータスであり、韓国がこれに加わりG8になるとすれば韓国民は誇らしく思い、反対は少ないと思われます。韓国はGDP世界10位(2021年)であり、9位でG7メンバーであるカナダとほぼ同額(カナダ1.88兆ドル、韓国1.81兆ドル)ですから、経済的には十分資格があります。あとはアジアで唯一の地位を守りたい日本を説得することですが、ロシア・中国との対抗軸として韓国を西側陣営に組み込むことの重要性は日本も理解出ますので反対できないと思われます。そいうことで、早ければ来年、遅くとも再来年には韓国が加わったG8が誕生すると考えらえます。この先にはAUKUS(オーストラリア・英国・米国)に日本と韓国が加盟した安全保障同盟APTO(Asia Pacific Treaty Organization)が出来、これとNATOが連携してロシア・中国に対抗すると言う構図が出来上がると予想されます。韓国は日本人が気付かない間にとてもビッグな国になっています。