新聞の投票先調査には嘘を言えば楽しめる
6月22日参議院選挙が告示され、7月10日が投開票日となっています。これから投票日に向けて候補者の戦いが始まりますが、もう1つの戦いも始まります。それは新聞社による当落予想や政党別当選者数予想です。この正確さが新聞社の調査分析力を示すものとなっており、各社とも総力を結集して結果を正確に予想しようとします。
昨年9月の衆議院総選挙では各社とも自民党の大敗を予想しましたが、結果は大勝でした。これは昨年7月に行われた東京都議会選挙での自民党大勝の予想が大きく外れたことが影響しています。東京都議会選挙の予想が外れた原因を解明できないまま衆議院総選挙となったため、東京都議会選挙での有権者の投票行動は変わっていないという思い込みにより、電話調査や対面調査の結果を素直に読めなかったものと思われます。というのは、投票直前の各社の電話調査や対面調査の結果では、各社が出した政党別議席予想ほど自民党の支持率は低くなかったからです。予想も最後は人間が判断することから、都議会選挙で大きく外したトラウマが判断を狂わせたものと思われます。
選挙期間中には固定電話や携帯電話に自動発信の支持政党調査の電話がかかってきます。私の場合、その電話を取ったらすぐ切ることにしていますので、一度も答えたことがありません。新聞の調査結果を見るとそれなりの標本数になっていますので、答えている人もそれなりにいるようです。それでも正直に答えているは思えず、「とりあえずビール」と同じで、とりあえず「自民党」と答える人が多いと思われます。それが予想と結果が大きく狂う原因の1つであることは間違いありません。
もう1つはわざと嘘を答え、新聞の予想が外れるのを楽しんでいる人が増えていることがあると思われます。この動きは、米国のトランプ大統領が誕生したときに言われたもので、そのため多くのメディアがトランプ大統領の誕生を予想できませんでした。この背後には新聞などのマスコミに対する反発があります。まるで伝道者のように振舞い、世論を誘導しようとしてきました。そしてその力を利用し、裏では政権から利益を得てきました。昔のように一般市民が接する情報の大部分が新聞という状況では、新聞の世論操作力は絶大でしたが、インターネットが発達した現在では新聞記事よりネット情報の方が詳細かつ立場が鮮明で自分の判断に役立つものが増えています。その結果、新聞は軽蔑され、嫌われものとなっています。
こんな新聞の調査に真面目に答える人は少ないと考えた方がよく、今回の参議院選挙の当落予想や政党別議席予想でも新聞の予想は大きく外れそうです。有権者としては、外れたときの新聞の狼狽ぶりは選挙の楽しみの1つでもあるので、新聞社から支持政党の調査電話があった場合、嘘を言うのがお勧めです。